宵待つはうたかたの中で。31 | 潤いと和み。

潤いと和み。

世界中に巻き起こしてる5人が大好き♥
末っ子溺愛中です♥

末っ子ふたりの妄想bl書いてます。
J×Nオンリーです(๑´ㅂ`๑)♡*.+゜

大丈夫な方のみ、お進みください♡



妄想blです。









お嫌いな方はスルーで。











僅かに震えてしまった声で聞いたのに
松本さんは柔らかく微笑んだ。


「ニノは・・・なんだろう、言葉にするのが難しいな。」


んー・・・って考えるみたいに視線を落として
たろうを撫でる。

引き結んだ口元と伏せた視線に
そこら辺のモデルに負けないくらいの色気を感じてまた連続でシャッターを切った。


「・・・最初は、どうしたらいいのかわからなかったんだ。正直、困った。」


ふふって小さく笑う。
緩む口元。
さっきまでの色気が、その質を変える。


「どうするのが正解なのかわからないまま時間が過ぎて、一緒にいるうちに、何て言うか・・・守りたいって思うようになった。
俺が守らなきゃって。」


「・・・それは・・・なん、で?」


また、声が震えてしまう。
今なら乗り越えられるんじゃないかと
自分で決めて踏み込んだのに
松本さんの言葉が、ちょっとだけ怖い。

その思いの深さに触れてしまうことが
ほんの少しだけ怖かった。


「今だからわかるんだけど、秘密にしなきゃいけなかった状況っていうのが、きっと大きかったと思うんです。
誰にも言えない、バレちゃいけない。
そんな状況で、ニノが、俺に手を伸ばすんです。」


今度は真っ直ぐにオレを見て、小さく微笑む。
まるでそれは、慈しむって言葉がぴったりハマるみたいな、優しい笑み。


「小さく、たどたどしく俺の名前を呼んで。
手を伸ばすの。
もう、その手を掴む事しか考えられなかった。
人魚っていう存在自体が既に朧気で、頼りなくて、だから、俺が守らなきゃって思った、んです。」


松本さんの言葉が、その笑みが

醸し出す空気が

ニノを愛しいって伝えてる。


・・・綺麗だなって思った。


人は、本当に心を寄せる人の事を語る時
こんなに綺麗な表情をするんだって思って
指がシャッターボタンを押すのを止められなかった。


だから、もうひとつの質問をした。


「じゃあ、オレは?
松本さんにとってのオレは
・・・どんな存在?」


ファインダー越し、その真っ直ぐな目を見つめながらもう一歩踏み込んだ。


「二宮さんは・・・これもまた難しいな。」


また、視線を伏せる。
だけど、さっきと少しだけ表情が違う。


何て言うか・・・


ほんの少し、照れてるような印象を受ける
伏せた表情。


あ、そうか。
目の前にオレがいるからなんだ。


「・・・答えにくい?」


「・・・そんな事は、ないけど・・・。」


「じゃあ・・・教えて。」


たぶん、オレが本当に知りたいのはコレなんだ。

松本さんがニノをどれだけ思っているか。
その答えを聞くと、やっぱりって妙に納得してしまう。

だからこそ、じゃあオレは?って。


「二宮さんは、俺にとって、すごく近づきたい人。知りたい、わかりたい。
・・・隣に立って、一緒に歩きたい人、かな。」


「・・・一緒に?」


「そう。自分で立って、ちゃんと歩いてる。きっとひとりだとキツい事もあるだろうけど、それでもちゃんと立とうとしてる。
俺も同じだから、だからこそ隣にいたい。」


「・・・それは、ニノへの愛情とは違う・・・よね?」


「・・・うん。隣の立ちたいと思うからこそ、しんどい時や凹んだ時に、俺を思い出してほしいと思う。俺が支えたいって思うんだ。」



松本さんの言葉を聞いて、どちらが幸せなんだろうって考えた。


守りたいって言われる事と、
一緒に立って歩いて行こうって言われる事。


オレは、どちらが幸せ・・・?


そんな事を考えて、最初に松本さんを撮りたいって思った気持ちを思い出した。

自分にはない強さや、ニノへの強い思い。
そして、愛しさを率直に表すその素直さ。


オレにはないものばかり。


それに憧れる。


それはつまり。


松本さんの隣に立ちたいって事なんだ。


やっと。

やっと。


自分の気持ちがその場所にたどり着いたのを感じた。


ニノとの別れを経験した
今の松本さんの隣に立ちたい。


一緒に、歩いていきたい。


「松本さん。オレ、あなたの事が・・・
今のあなたの事が、好きみたいだ。」


ニノの記憶ではなく
今、こうしてシャッターを切る二宮和也として
自分の思いを伝えた。