うたかたの中で宵待つ。8 | 潤いと和み。

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末っ子ふたりの妄想bl書いてます。
J×Nオンリーです(๑´ㅂ`๑)♡*.+゜

大丈夫な方のみ、お進みください♡




妄想blです。







お嫌いな方はスルーで。










プールの上、大きめのフロートに寝転んで、水の動きでゆらゆら揺れるそれは
すごく気持ちよくて。

眠気を誘う。



ニノを連れて来てすぐに大野さんがネットで注文したその大きなフロートは、俺と大野さんが2人で乗っても余裕な大きさで。
泳ぐニノと浮かぶ俺たち、そうやって3人でのんびりと過ごす時間が楽しかった。


時々そのフロートにニノを乗せて。
二人で並んでゆらゆら揺られながらお昼寝してみたり。

大野さんは釣り雑誌を読みながら、その周りをニノが纏わりつくみたいに泳ぐ。
そんな二人をみているのも楽しかった。

時々はたろうも一緒になって遊ぶ。
プールサイドから投げるボールを、たろうとニノが一緒に追いかけて。
だけど、断然ニノの方が早い。
だから、今度はニノがそのボールをまた投げて。

人懐っこい犬種のたろうは、ニノを敵視する事も無く、本当に兄弟みたいにじゃれて遊んでいて。
俺も大野さんも仕事で手が離せない時には、そうやってニノはたろうと過ごしていた。



ニノとの生活も要領が掴めて、楽しいばかりの時間がどれくらいか過ぎて。
その日は、久しぶりに雨の予報だった。
さすがに雨のプールにニノを置いておくわけにもいかなくて。

「大野さん、どうしようか?」

「んー・・・。風呂場じゃダメかな?」

「じゃあ、降って来る前に急いで水張ろう。」

この家の風呂、それなりにデカいんだよな。
お邪魔する度に思うんだけど、こんなデカい家にたった1人で住むって、淋しくないのかな。

俺の知る限り、そうしょっちゅう人が尋ねてくるわけでもない大野さんは、そんなに友人も多いわけじゃなさそうだし。
そんな事を考えながら、その広い風呂場のバスタブに水を張っていく。
何となく、冷た過ぎると可哀想な気がして、ほんの気持ち程度お湯を足した。



リビングに戻ると、さっきまでいたはずの大野さんはいなくて。
あれ?って思って、プールを覗く。
その水面に、ポツポツと降り出した雨が落ちてきた。


予報では昼過ぎからって言っていたのに、それよりだいぶ早く降り出した雨に
慌てた。

急いでプールサイドに出て、ニノを探す。
だけど、いるはずのニノはそこにはいなくて。

「ニノ?どこ?!」

底の方に潜っているのかもって思って
目を凝らすけど、その影さえも見つけられない。

ここから出るはずないのに。

いるはずのニノがその場にいない事に
鼓動が早くなる。
髪の毛の中の毛穴まで全部開いて、そこから汗が吹き出す感覚。

ヤバい。
どうしよう。
どこ行った?!



「松潤、こっち。」

背中に聞こえた大野さんの声に振り向くと、窓のとこから手招きする大野さんがいた。

「大野さん!」

「松潤が風呂場に行ってすぐに降り出したから、ニノこっちに移した。」

そう言って指さしたのは、この家にいくつかあるゲストルームのひとつ。

そっとそのドアを開けると、目の前のベッドに全裸のニノが下半身だけにシーツを纏ってそこにいた。





「・・・え?」

そんなはずはないのに、その姿を見て最初に思い浮かんだのは
いつか見た映画のワンシーン。

その記憶と、今目の前のニノの姿が重なる。
そんなはずはないのに。
あまりの綺麗さ、妖艶さ、そして愛し合った事が一目でわかる気だるさを匂わせていた、今でも鮮明に記憶に残っているあの映画のあのシーン。
情事の後のあのシーンと、今目の前にいるニノの姿が重なる。

背中を、ゾクりと何かが駆け抜けた。

それは、触れたい、自分の物にしてしまいたいって、恋人に注ぐ感情と同じものだった。




「さすがに濡れたままベッドに入れるわけにはいかねぇからさ。」

言い訳みたいにして口に出した大野さんの言葉で、我に返る。

「あ・・・そう・・・だよね。」

よくよく考えると当たり前なのに。
濡れたシャツを脱がせて。
だけど床に寝かせるわけにもいかないから、ベッドに座らせて。
きっとたまたまだろう、うまい具合に下半身をシーツが隠した。

冷静に見ると、ただそれだけの事なのに。
今目の前に広がる光景は、俺の中から感情を引きずり出すには充分だった。

ニノが欲しい。抱きたい。

本能を引きずり出すには、充分過ぎるほどの光景だった。