お嫌いな方はスルーで。
ピピっ
・・・ん?
何か、音がした?
そう思って放り投げたスマホを手だけで探して
その画面を見たけど何の表示もなくて。
あれ?と思ってたら、部屋に母さんがいてビックリした。
「・・・っ!!母さっ!!」
思わず声が出そうになって、慌てて口を噤んだ。
かずを起こしちゃうとマズいと思ったから。
母さんも、人差し指を唇に当てて「しーっ」のポーズ。
意味深に笑って部屋の外に出てくれた。
ドキドキする心臓。
ヤバい、絶対見られた。
見られた事をかずが知ったら、きっと明日まで
ギクシャクして楽しめない。
どうしようかと思ってたら、オレのスマホが鳴ってメッセージを受信した。
『もう夕方だから、そろそろ起きなさい♡』
母さんからのメッセージ。
いつもなら、息子相手に♡は止めろって言うんだけど、今日はちょっと言えそうにない・・・。
『わかった。』
一言だけ返事をしたら、スマホの音で目が覚めたのか、かずがもぞもぞと動いた。
とりあえずその髪にちゅってキスして反応をみるけど、どうやらまた眠りに落ちそうだったから。
目に掛かる前髪を梳いて現れたおでこにちゅっ。
くすぐったいのか、ちょっと反応してくれた。
・・・うん。
おでこ出しても可愛い。
少し伸びてきた髪の毛で重たい雰囲気になってたから、いつもと違うその顔に見蕩れる。
だけど、見てるだけじゃ我慢出来なくて。
つい、その柔らか頬に手が伸びた。
そっと触れるとやっぱり柔らかくてスベスベしてて、自分の肌とは違うその感触が気持ちよくて。
その柔らかい頬をむにっと軽く摘んでみた。
「・・・じゅんくん、遊ばないでよ。」
「あ、起きた?」
「起きるでしょ、そんなにされたら。」
くすくす笑いながらもまだ目は閉じたまま。
「もう夕方だから、そろそろ起きなさいって。」
「潤ママ?帰ってきたの?」
「うん、みたいだよ。」
一緒に寝てたのを見られた事は言わない方がいいかな。
うーんって伸びをして、やっとその目が開いたから、今度は唇にちゅってキスした。
「・・・じゅんくん、キス好きだね?」
「だって気持ちいいもん。」
「気持ちいい。けど。」
「普段あんまり出来ないんだから、こんな時くらいたくさんしたいの!」
そう反論したら、しょうがないなって小さく笑った。
そろそろ降りようかって起き上がって、部屋を出る前にもう一度ぎゅって抱きしめて。
ちゅってキスしてリビングに降りた。