大学進学で親元を離れてこの街にきた。
それなりに楽しんでる。
ハタチになる少し前に、初めて出来た彼女と
オトナになった。
ハタチを過ぎて少しして、酒も少しは美味しいと思えるようになった。
少しは大人になった気でいた。
本当は何も知らないのに。
経験さえすれば、大人になれる。
そう思っていた。
そう思うことが、既に子供なんだと
貴方が教えてくれた。
そして
大人でも、子供でもなく
俺らしく愛すればいいんだと
教えてくれた。
そんな貴方を例えるならば、月。
日毎その形を変える。
昼間でも目を凝らせば見える。
そして、俺の下で刺激に反らせたその身体は
下弦の月そのもの。
だから、
届くはずのない貴方への思いを
夜空の月に願った。