島唄
でいごの花が咲き 風を呼び 嵐が来た
(1945年春(4月1日)でいごの花が咲く頃、
米軍の沖縄攻撃が開始された。)
※島の中央から北南を分離するように兵が進む。
でいごが咲き乱れ 風を呼び 嵐が来た
(でいごの花が咲き乱れる初夏(4~6月)になっても、
米軍の沖縄攻撃は続いている。)
繰り返す 哀しみは 島わたる 波のよう
(多数の民間人が繰り返し犠牲となり、
人々の哀しみは島中に波のように広がった。)
ウージの森で あなたと出会い
(サトウキビ畑で、愛するあなたと出会った。)
ウージの下で 千代にさよなら
(サトウキビ畑の下の洞窟で、
愛するあなたと永遠の別れとなった。)
(①)
島唄よ 風にのり 鳥と共に 海を渡れ
(島唄よ、風に乗せて死者の魂と共に海を渡り、
遥か遠い東の海の彼方にある神界 “ニライカナイ” に
戻って行きなさい。)
島唄よ 風にのり 届けておくれ わたしの涙
(島唄よ、風に乗せて沖縄の悲しみを
本土に届けてほしい。)
でいごの花も散り さざ波がゆれるだけ
(でいごの花が散る(たくさんの命が失われる)頃、
(1945年6月23日)沖縄戦での大規模な戦闘は終わり、
平穏が訪れた。)
ささやかな幸せは うたかたぬ波の花
(平和な時代のささやかな幸せは、
波間の泡の様に、はかなく消えてしまった。)
ウージの森で 歌った友よ
(サトウキビ畑で、一緒に歌を歌った友よ。)
ウージの下で 八千代に別れ
(サトウキビ畑の下の洞窟で、永遠の別れとなった。)
(②)
島唄よ 風に乗り 鳥とともに 海を渡れ
(島唄よ、風に乗せて死者の魂と共に海を渡り、
遥か遠い東の海の彼方にある神界 “ニライカナイ” に
戻って行きなさい。)
島唄よ 風に乗り 届けておくれ 私の愛を
(島唄よ、風に乗せて彼方の神界にいる友と
愛する人に、私の愛を届けてほしい。)
海よ 宇宙よ 神よ 命よ
(海よ 宇宙よ 神よ 命よ 万物に乞い願う。)
このまま永遠に夕凪を
(このまま永遠に穏やかな平和が続いてほしい。)
(①②繰り返し)


