やっばい大好き!!

パッチボボ、天ボボ、ソニック、破天荒、若頭、ランバダ、OVER、クリムゾン、べーべべ、白狂!!

神推し!ヽ(・∀・)ノ

めちゃめちゃ好きーー( 〃▽〃)

みんなカッコかわいい~Vv

眠らせる…眠らせるんだ…。
全ての人間を眠らせるんだ。

私は…私は、布団と布団の間に生まれた純正の布団の子どもなのだから。


「やーい、お前、また人を眠らせることが出来なかったんだってなあ。」
「布団のくせに。」
「それでも布団か!」
「ハハハ、使えねーなあ!!」

だから、私は誓ったのよ。
どんな布団よりも、人を深く眠らせる、世界一の布団になってやる、と。











そうしないと、失ってしまうから。
分からなくなってしまうから。
私の存在意義を。























『永久不眠症』


宇治金TOKIOと、コンバット・ブルースとゲームをしていたのは一時間前。

現在の時刻は11:55。

(どいつもこいつも俺より先に寝やがって…。)

ランバダは布団の中で、眠れずに身体を丸めて目を閉じながら、悪態をついていた。

どうにも目が覚めるのだ。ゲームの明かりが目にまだ残っているような感覚がした。


(ダメだ、このままではまた眠れない。)

また、というのは昨日も一昨日も同じ状況だったからである。
ハンペン曰く、不眠症というやつらしかった。

このままでは流石に辛い。
きつく目を閉じて、大きく息を吐いたと同時に、部屋のドアがノックされた。

ちょうど、日付が変わった時だった。































「ランバダ様…、まだ起きてますか?」
その声は、女の声。
旧毛狩り隊の幹部には、女は一人しかいなかった。
「起きている。」
ランバダが短く返事をすると、嬉しそうな声が返ってきた。
「失礼します!!」
あまりにも勢いよくドアを開けるものだから、今が夜中だということを、つい忘れかけた。
「レム、何の用だ?こんな夜中に。」
その女―――レムは、何故かニコニコと笑っている。

(おかしい。)

ランバダは、その笑顔と元気な姿に恐怖を感じた。


レムといえば、一日中眠りっぱなしな位、いつも寝ているのだ。
どんな状況下であろうと、いつも寝ている。
そのレムが、こんな夜遅くに眠らず、ましてやハイテンションなど恐ろしいこと他ないのだった。

「いえ、ランバダ様が不眠症とお訊きしましたので、私が眠らせて差し上げようと思って!!!」

そう言うとピシッと敬礼をしてみせた。

(なるほど。)

レムが元気な理由は、久々に自分にできる仕事を見つけられたからだったのか、とランバダは一人納得し、軽く頷いた。

「了解です!お任せください!!」

その頷きを、了承と勘違いしたらしいレムが、絵本を取り出した。

しかし…。


「絵本など読まれても眠れない。」
「そっそんな…。」

ランバダの不眠症はかなり手強かったのだった。


「別に、もうどうでもいい。そのうち寝られるだろう。」
だから、早くお前が寝ろと言わんばかりの
口調で言うと、レムは真っ赤になってランバダを睨み付けた。

目に涙をいっぱい溜めて。

泣かせる気はなかったとはいえ、流石に申し訳なく思ったランバダは、レムの頭を撫でながら一言だけ呟いた。

「すまん。」
「いっいえ…私の力不足だから……。」

そう言うと、益々涙が溜まる目元が、またギュッと細まった。
さっきの表情と同じで、別にランバダを睨んでた訳ではなく、泣くのを我慢していただけなのだと、ランバダは悟った。


「別に、泣かなくてもいいだろう。俺の不眠症はお前のせいではないんだから。」

泣き止まないレムのことを、不思議そうに、そして、少し申し訳なさそうに見つめながらランバダは言った。

「違うんです。私は……っ、私はまたっ………。」

手で涙を拭いながらレムは続けた。

「存在意義を、失ったんです。」

その一言は、昔レムから聞いた話を思い出させた。











布団のくせに、眠らせることができない。
お前は存在価値がない。







そう言われ続けたレムの心は、深く傷ついていたのだ。


「…私は、やっぱり誰も眠らせることができない、無能な布団なんです。」

ごめんなさい、ランバダ様。
レムはそう続けると、部屋から出ようとした。

























「ふざけるな。」





























「…え?」
レムは驚いて、目を丸くして振り返り、固まった。
パチ、パチと瞬きをして、怒らせてしまったのかな、と悲しそうに見つめた。

ランバダ本人も、自分の口から無意識に出た言葉に驚いていた。
真っ白な頭のまま、ランバダは言った。

「俺を眠らせると言っただろ。俺が眠るまで付き合え。」

(そんなことはない、レムは必要な存在だとか、お前のお陰で眠くなってきたよ、とか、気のきいた優しい言葉をかけてやりたいのに…。)

ランバダは、自分が不器用な人間だった、とこの時初めて自覚した。

レムの反応を見るのが怖くて、後ろを向いている自分の情けなさも、初めて自覚した。

「…!ランバダ様!!」

レムはランバダの背中に抱きついた。ギュウと音がしそうなくらい強く、強く。

「もう一度チャンスをください。」
「…ああ。」







時刻は1:30頃。

ランバダとレムの声は、暗い部屋に吸い込まれていくように消えた。

ついさっきまで、ゲームをしていたうるさい部屋だったのが嘘みたいに、静かな部屋だった。


レムはランバダのベッドの中に入った。
小さな声で、失礼します、と律儀に言うレムの声が聞こえて、ランバダは耳が勝手に熱くなるのを感じた。

ランバダは、レムのことを、あえて見ないように、背中を向けて黙った。

すうっ、と息を吸って、吐いて、ただ黙って目を閉じた。

添い寝、という方法で、ランバダを眠らせることに決めたらしいレムは、その、意外に広い背中に向かって、子守唄を歌った。

(逆に眠れない。)

ランバダは、自分の体が激しく脈を打っていることに気づいた。
静かな部屋に、ドキドキと、音が漏れていそうで心配になって、またその音が大きくなっていく。

しかし、眠れないと言ってしまっては、レムを傷つけてしまう。

ランバダは、なんとか自信をつけてあげたい一心で、眠るふりをした。

スースーと寝息のような音をたてて、目をきつく閉じる。


「…ランバダ様…?眠れましたか?」
小さな声が耳元で聞こえたが、答えなかった。


「眠らせることが、できた。」
よかった、やった…。と嬉しそうな独り言に、ランバダは、多少の罪悪感と、喜びが込み上げた。













少しの間を置いて、レムがベッドを出た。
急にベッドが冷たくなった。
きっと、冷たい風が入ってきたから。
ランバダは、それだけじゃないことくらい分かっていたが、そう思うことにした。












ドアの音が聞こえない。
目を閉じているから見えないが、確かにレムの気配を感じた。

まだ、部屋にいるのだ。



















「おやすみなさい、ランバダ様。」
急に聞こえた声が、やけに近くて、ランバダは驚いた。
レムの息が、頬にかかるくらい近いことにも。





















































「……大好きです。」


ランバダの頬に、柔らかい唇が触れた。


































扉がしまってから、10秒数えて、目を開けた。
自分の掌で、頬に触れる。
いまだに、激しく脈打つ心臓に、しょうもないヤツだ、と呟いた。






このままじゃ、一生眠れそうにない。
ランバダは、目を閉じると勝手に浮かぶ、レムの顔にまた体温をあげた。














眠くなって、目を閉じると、お前が映るから。



「…レムのやつ、悪化させやがって。」

永久不眠症にかかった自分を、眠らせることができるのは、一人しかいないことに、ランバダは気づいていた。
















「…お前の存在意義、見つかったぜ。」



**************************************

やっと書けたーー!念願のランレム!!←

きっと、ランバダの最後のセリフは、レムに届いたと思います。


タイトルが気に入ってます♪永久不眠症って。眠らせることが苦手な、布団っ子のお話ってかんじで(笑)


レムにボーボボは、「眠らせることができない布団があったっていいと思う。」っぽいこと、本編で言ってて、いいなあーって思いました。
でも、ランバダってそんな、気のきいた励ましなんて言えないような気がするなあって思って。
言葉じゃなくて、行動で。

レムのことを想って、色々しているうちに、俺にはレムが必要なんだなって気づく!みたいなね!!

ランバダとレムって、不器用な恋愛をしていると思います!
誰よりもラブラブでいてね♪(願望)

ここまでお付きあい、ありがとうございました☆


裏マルガリータ内部。


今日は特別、何故かドタバタと騒がしかった。

突然、裏Aブロック隊長のシャンメリのところに、裏Eブロック隊長のツーガンGが飛び込んできて、早口で言った。


「大変だ!!クリムゾン様から聞いたのだが、LOVE様が倒れたらしいぞ!!」















『闇病棟』

「なんだって?!LOVE様は無事なのか?!!」
シャンメリは、他の隊員達に負けないくらい大きな声で叫んだ。
「今は、まだ大丈夫だ。熱も多少ある程度だし、ベッドで寝ていれば問題な…」
ツーガンGが話終わる前に、シャンメリは大きく首をふった。
「そうじゃないだろ!!」
「?」
不思議そうに片目だけ器用に丸くする様は、流石はクリムゾンの部下。

まったく、クールそうに見えてコイツは何処か抜けている。

シャンメリは心の中で、クリムゾン率いる3狩リアのメンバーを思い出しながら、思った。


コイツは裏マルガリータでの、病気になったときの恐ろしさをわかっていないのか。

つまり。

「白狂様はそれを知っているのかを聞いているんだ!!」
「…!!なっなるほど…!いや、まだ知らないと思われる。」

セーフ。

そう、ここ裏マルガリータでは、病気になった時、一番恐れなければならないとされていることがある。
それは、白狂行きの知らせを受けること。


白狂に病気、怪我のことが知られると、問答無用でオペされ、最悪の場合死に至る、らしい。(所謂ショック死によって。)

らしい、というのは、その現場を直接見たものがいない為だ。
ただ、病気と知られた者は、白狂の部屋に連れて行かれてしまう。
帰ってきた者は失神していたり、泡を吹いていたり、白目を剥いて、一言も人の言葉を話せなくなってしまったり…と、それはそれは恐ろしい姿をしているらしい。



オペ真拳を使う白狂にとって、手術は趣味の一環であり、それ以下でもそれ以上でもない。

いくら相手が裏マルガリータ四天王のLOVEだとしても、容赦はないだろう。



「ならば、LOVE様を今すぐに隠せ!絶対に見つかってはならない!」
シャンメリの声と同時に、その噂をすっかり忘れていたツーガンGは、急いでクリムゾンに連絡を入れた。
「クリムゾン様!LOVE様を今すぐに安全な場所に隔離します!!」

















時は一刻を争う。

連絡を受けたクリムゾンは、見かけていた映画を一時停止にしてLOVEの部屋に向かった。

「そうか!すっかり忘れていたが、LOVEを白狂様に見つからない場所に移動させなくてはならなかった!!」

シャンメリの予想通り、クリムゾンも例の噂など忘れていた。

LOVEのことだ。あんな熱くらい、一日寝ていればすぐによくなる。

そのような甘い考えはまずかった。
ここでは、安心して一日寝ていることすら困難なのだ。

「ああああ!畜生、なんてこった!こんなことなら、2時間30分の映画なんて選ばなけりゃよかった!!」

検討違いな後悔をしながら、クリムゾンはLOVEの部屋に向かう。















同時刻。
ハロンオニは、一人外に出てジュースを買いにパシられていた。
3ぶくろのジュースのパシリは、ハロンオニにとって日課だ。


「おやじ袋が麦茶、ぶりっこ袋がオレンジジュース。タコチュー袋は……あれ?なんだっけ?」

今日に限って、違うものを頼んできた、タコチュー袋の飲み物がどうしても思い出せないでいた。

「あー、もう!3ぶくろは一回に頼むのが普通のヤツの三倍なんだから、気を遣えよな!!」

この一人言も日課である。

とりあえず、タコチュー袋の好きそうな物を二本買って、本部に向かった。
そこに、

「あれ?あれってもしかして。」


またもクリムゾンの3狩リアのメンバーである、しぇふりんの姿が見えた。

しぇふりんは、裏マルガリータの食事を作っているため、大体買い物に行くときに会うのだ。

「おーい!しぇふりーん!」

いつもの如く手を振りながら近づくと、しぇふりんは笑いながら手を振り返してきた。

「ハロンオニ様!またお出かけですね!!」
ハロンオニは、お出かけというには、あまりに義務的強制的すぎるこの用事がみっともないので、しぇふりんには、あえて内容は内緒にしていた。

「まあな。しぇふりんは、相変わらず買い出しか?」
「はい!今日はシチューにしようと思ってるんです!」
「マジ?オレ、シチュー好きなんだよ♪」
「それならよかったです!とびきり美味しいシチューを作りますからね!!」

ハロンオニは、しぇふりんと外で話すこの短い時間が好きだ。
自分が常に下の立場だからというのもあって、しぇふりんと話す時間だけは自分が上司になれる。

ハロンオニ様。

こう呼ばれて慕われることなど、滅多にないのだ。
可愛がるに決まっている。

「ハロンオニ様のお話はいつも面白いものばかりで大好きです!」

こんなことを言われては、ますます可愛がりたくなる。

ハロンオニとしぇふりんは、いつもの如く他愛ない話をしていた。
























その頃

「おい、大丈夫か?LOVE?」
LOVEの部屋には3ぶくろがいた。LOVEからの返事はない。眠っているようだ。
「氷枕だチュー。」
タコチュー袋が氷枕をLOVEの頭の下に入れたとほぼ同時に、ドアの部屋が空いた。
「LOVE!!」
「LOVE様!!」
クリムゾンとツーガンGだ。
「二人共、静かにしろよ!起きちまうだろ!!」
そう言っているぶりっこ袋の声が一番大きいことには、あえて誰もツッコまなかった。
「おい、3ぶくろ。白狂様はまだ来ていないな?」
「は?」
「来てたら今頃LOVEは生きてませんがな(笑)」
おやじ袋は、例の噂を覚えているようで笑いながら返した。
「よし、とりあえずLOVEを物置部屋に移動させるぞ。」
「えええええええ?!」
クリムゾンの、デリカシーの欠片もない一言に、3ぶくろとツーガンGは思わず叫んでしまった。
「クリムゾン様…いくらなんでも、病人を物置部屋に置いておくのは気が引けますよ。」
「バッカヤロオ!」
「?!」
「白狂様に見つかるよりはマシだろうが!!さっさと運ぶぞ!!」
ドスのきいた声で3つ目を開いて言う様は、一般人が見たら失神するくらいの威力があったのだった。
ツーガンGも例外ではない。やはり、恐ろしいと、渋々言うことをきいた。





































クリムゾン達がLOVEを物置部屋に移動している同時刻。



「おい、白狂。」
べーべべは白狂の部屋にいた。
「……。」
「…シカトかよ。」
「オレは格下と話している時間などないのでな。」
「右腕と左腕に格下もクソもあるか!大体、お前!医療班だろ!!」
「ナイチンガールがいるぞ。」
「いねえ!今日出張でいねえなら来てんだろーが!」
べーべべは、珍しく敵からの攻撃によって、左足を負傷していた。
「仕方ないな、特別だ。」
そう言って取り出したのはメス。メスを両手に持つと、白狂は楽しそうに笑った。
「ヤメロ!オペしろとは言っていない!」
べーべべは慌ててメスを取り上げた。
「オレの趣味の時間を邪魔するな。」
趣味、の単語にべーべべは絶句した。
コイツは人の怪我をなんだと思ってやがるんだ!あっ、趣味の一環か、と一人でツッコミをいれながら考えていた。

「趣旨かわってんだろ!オレの治療を頼んでんだよ!」
「人に物を頼む態度ではないぞ、べーべべ
。」
コイツ、ここぞとばかりに…!ふざけんじゃねーぞ、殺してやろうか…。
心の中で毒を吐きながら、べーべべは脂汗を浮かべた。流石に痛さの限界だった。
「…治療を頼む。闇Dr白狂。」
「闇は余計だぞ。」
「……!」
お前、自称闇Drのくせに…!!

べーべべは何も言わずに、正確には言えずに、治療器具を漁る白狂の背中を見ていた。



















「ただいまーっと、…あれ?誰もいないじゃん。」
ようやく、LOVEの部屋にハロンオニが到着した。
しかし、部屋はもぬけの殻。
「3ぶくろのヤロ~、パシるだけパシって放置かよ!!」
このままバックレてやるか。
ハロンオニはその考えを慌てて消すように、首を横に振った。
そんなことをしたら、3ぶくろ2(あの手抜き)にボコられる…!!
「…仕方ない、探すか…。」
重いジュースなんかより、自分の足が重いよ。
ハロンオニは、一人小さくため息をついた。
何処にいるのか、まったく検討もつかない3ぶくろ達を探しに一歩踏み出した。

その時。


「ぎぃやあああああああ!!!」


「?!」
ハロンオニは固まった。
その叫び声は明らかにべーべべのものだったのだ。
「べーべべ様の部屋はここからは近くないぞ…?聞こえるわけ…」
ない。言い切ろうとして、ハッと気づいた。
「…いっ…いいい医療班部屋からだ……!!」
震えて思わず声が裏返った。間違いない!今日はナイチンガールがいないと、しぇふりんが言っていたのだ。つまり……。

「…白狂様……!」





























「ぎぃやあああああああ!!!」


「?!」
クリムゾンとツーガンGと3ぶくろは固まった。
ついさっき、LOVEを物置部屋に置いてきたタイミングで、叫び声が聞こえてきたからだ。


「「「LOVE?!」」」
「明らかに男の声だったぞ!!」
すかさずクリムゾンはツッコミをいれる。

「じゃあ、一体誰の声だよ?ハロンオニ?」
ぶりっこ袋が首を傾げると同時にタコチュー袋が「ああ!!」と声をあげた。
「なんだよ、ビックリするだろ!!」
「いや、ハロンオニにジュース頼んだまま放置してしまった~って思い出しましてねえ。」
「今はどうでもいいだろ!そんなこと!!」
えー?ひどいよなあ、とタコチュー袋をおやじ袋が庇った。
そんなやりとりなど知ったことか、とクリムゾンは一人考えていた。
「…さっきの声、べーべべ様の声じゃなかったか?」
無責任にもツーガンGが共感して、絶対そうですよ!と相づちを打った。

そこに。

「大変だ!!医療班部屋からべーべべ様の叫び声が!!」
シャンメリが全速力で駆けてきながら、大声で言った。そのすぐ後ろにはナイチンガール。


「…白狂様の仕業ですね。」


ナイチンガールの一言に、そこの空気は一瞬にして凍りついた。
























そんなことがあったとは露知らず。

「…ん?ここ何処?」

ついにLOVEが目を覚ました。
真っ暗な部屋に、山積みの荷物。それに、やけに埃っぽい臭いが、目を覚ましたと同時に鼻をつく。
明らかに自分の部屋ではないこの場所に、LOVEは動揺した。

ズキズキと痛む頭をおさえながら、とりあえず出口を探す。

キョロキョロと辺りを見渡すと、段ボールにメモが貼ってあるのを見つけた。


“この部屋から出るべからず。 クリムゾン”


「クリムゾン?」
汚い字で殴り書きされたそのメモを見ると、嫌な予感がした。
「…ヤバイことになってるって訳ね…。」

LOVEは忠告を守って、部屋で静かに息を潜めることにした。



















「ところで、どうしているのだ?ナイチンガール。」
「出張が終わったからだよ!」
ツーガンGの問いに、ナイチンガールは、そんな場合じゃないだろ、というツッコミをのみ込んで返した。
全員で医療班部屋に向かって走っていた。
「最近、運動不足だからなあ、足がつりそうだ~。」
走りながら、呑気におやじ袋が呟いた。

施設内の部屋数はとにかく多い。
しかし、隊員部屋棟と、特別部屋棟に分かれている為、特別部屋棟だけなら、部屋数はそう多くはないのだった。


調理室を横目に通りすぎると、トレーニングルームが並ぶ。
この先がすぐに医療班部屋だ。


「医療班部屋の前に誰かいる!」
シャンメリが指差しながら言うと、一斉に見た。
「パシリだチューー!!」
そこにいたのは、ハロンオニだった。
「あー!3ぶくろいたーー!」
とハロンオニも指差して言った。
「ハロンオニ、なんでお前がここにいるんだ?」
クリムゾンはハロンオニを、不思議そうに見下ろしながら言った。
「いやっ…だって、そのー……。」
言いにくそうに口ごもりながら、シャンメリをチラチラと見るハロンオニの様子からして、べーべべの叫び声を聞いたから来たのだと、その場に居た全員が察した。
「とりあえず、部屋に入ってみましょう。」
シャンメリの言葉が、全員の足を動かした。













ガチャ













「どうした?ゾロゾロと。」
「え?!あれ?べーべべ様?!」
なんと、そこにはピンピンしているべーべべがいたのだ。
シャンメリが驚きすぎて固まっていたので、クリムゾンが代わりに話した。
「白狂様に治療されたハズじゃ…?」
「おう。お陰でよくなったぜ。」
ホラ、と足をブラブラと動かすべーべべ。
「あっ、でもまだ縫ってあるだけだから、包帯巻くんだってよ。」
「…噂と違うチュー。」
クリムゾンも、タコチュー袋と同じことを思った。話が違う。
「大変申し上げにくいのですが、白狂様に、他には何もされていないのですか?」
「ああ。」
べーべべのあまりにも軽い言い方に、拍子抜けした。
「でも、叫び声をあげていましたよね?」
シャンメリは、心配そうに足を見ながら言った。
「アイツが、麻酔を射たねーからさ、みっともなく声あげちまってよ。ハハハ、聞こえてたのか。」
当たり前だろ。聞こえなかった人なんかいないよ。
誰もが思ったが、ツッコまなかった。
「あの、べーべべ様。ところで、白狂様は今どこに?」
ナイチンガールが言った。
「包帯がねーから、物置部屋に取りに行った。」
「ええええええええええ?!」
「なっなんだよ!!」
予想もしなかった反応にべーべべは驚いた。
「だから言ったんですよ!物置部屋はやめましょうって!クリムゾン様のおバカー!」
「終わったあああ!!」
「クソムザン!!」
ツーガンGとぶりっこ袋とおやじ袋が一斉にクリムゾンを攻めた。
「なっ!お前らだって、賛成したじゃねーか!!」
「…なんだ?どうした、お前ら。」
ただ事ではない様子に、べーべべが仲裁に入る。
「LOVEが物置部屋にいるんです!アイツ、熱出してて!!」
そう言うと同時に、クリムゾンは走り出した。
3ぶくろ、ツーガンG、シャンメリ、ナイチンガールが、クリムゾンに続き走り出した。
「…なにそんなに焦ってんだか。」
隣で大汗をかいて震えているハロンオニに、俺らはゆっくり行こうぜ、と言った。



























「…いつまで待たせんだよ。」
LOVEは我慢の限界だった。
いくら緊急事態といっても、自分は病人だ。もっと大事にしてもらわないと困る。
何も分からず、閉じ込められることになるなんて。
「あーもうっ!クリムゾン、早く来いよ!!」
焦れてそう叫んだのはまずかった。
「…誰かいるのか?」
来たのはクリムゾンではなく…………。






「…白狂様。」


























「もうしんどいわー!」
本日二度目の、おやじ袋の泣き言は、またもスルーされた。今はそれどころではない。超緊急事態なのだ。
このメンバーで一番足が速いツーガンGに、クリムゾンが言った。
「お前は先に行って、LOVEを救出してくれ!俺達も後から続く!!」
ツーガンGは力強く頷いて、あっという間に遠くに消えた。
「…うーん、速い!」
アイツ、カッコいいだろ!と何故かクリムゾンが誇らしげに言った。
「LOVE……生きてるかな…。」
ぶりっこ袋が珍しく、自信無く呟いた。













ガチャ

「LOVE様ーーーーー!!!」
ツーガンGは物置部屋に着くと同時に叫んだ。



そこにいたのは……
















「おせーよ!クリムゾンはどうした!ツーガンG!!」
明らかに熱など無さそうなLOVEと、
「オレに何のようだ?」
検討違いの質問をする白狂だった。
「あれえええええええええ?!」
失神寸前のLOVEと、気が狂って暴れる白狂を想像していただけに、ツーガンGの驚き方は尋常ではなかった。
「…あの~LOVE様?身体の具合はいかがでしょうか?」
ここは男ツーガンG。クリムゾンの命をうけたからには、聞かなければならないのだ。
例え、目の前で、世界1位2位を競う恐ろしい存在に睨み付けられていたとしても、だ。
「オレが治したぞ。」
そう言って、誇らしげに何故か包帯を見せてくる白狂に、ツーガンGは苦笑いしか返せなかった。
これほどまでに信じられない言葉があるだろうか、いや、ない。
というか、包帯を見せた意味が分からない。
ツーガンGは、目の前で起こっていることについていけずに、頭を半分パンクさせながら、こんな時に側にいない上司の名前を、心のなかで呼び続けた。
(クリムゾン様助けてクリムゾン様助けてクリムゾン様助けてーーーー!!!)






そこに









「ツーガンG!!」
まるで、映画の1シーンのようにクリムゾンが現れた。
「大丈夫か?」
「クリムゾン様ーーー!!信じてましたーー!」
何を?と言いたげに目を丸くしたクリムゾンは、検討違いに、俺はお前をいつも信じている、と無駄に熱く言った。
「おせーよ、バカ!まず私を心配しろー!!」
見向きもされなかったLOVEは、クリムゾンの頭を思いきりぶん殴った。
ツーガンGは、その姿を見て初めて、LOVE様熱下がったんだ~とやっと信じることができた。
「ハハ、元気そうで何よりだ。」
能天気にそんなことを言うクリムゾンは、もはや、ここに自分が駆けてきた理由など忘れているようだった。
「あれ?!LOVE様無事ですね!よかった~。」
とシャンメリ。
「でも白狂様はいる!何故ー?!」
とナイチンガール。
流石の白狂でも、この全員の様子に違和感を覚えていた。
この名医がついているというのに、何故そんなに焦っているのか。
そもそも、LOVEは熱があるというのに何故、物置部屋にいたのか、と。
「…説明してもらおうか。」












「噂話なのですが…。」
クリムゾンが代表して言わされるハメになったのは、LOVEの提案だ。



すべて話終えた後に白狂が呟いた。

「…オレは、そんなことをした覚えはない。怪我をしている場合、縫う必要がある場合はオペをするが、それ以外、特に病気の場合はしないぞ。」














しーん、とでも音が出そうなくらい静まり返った。

そんなバカな…、とぶりっこ袋が漏らした。


「大体、そんな噂どこで聞いたんだよ!私は知らなかったけど?」
LOVEはクリムゾンに言った。
「俺はツーガンGに聞いたぞ。」
クリムゾンの言葉を聞くと、全員の視線がツーガンGに集まった。
「そういえば私もツーガンGに聞いた!ツーガンGやっちまったな~、あー怖え。」
とナイチンガールが続けた。
白狂の、まるでメスのような鋭い視線に、ツーガンGは慌てて首を振る。
「ちょっと待ってくださいよ~!違うんです!!俺はしぇふりんに聞いたんですーー!」
信じてください!と必死に訴えるツーガンGに、クリムゾンは言った。
「当たり前だろ。俺の3狩リアのメンバーがそんなことするはずない。」
「クリムゾン様!!」

「しぇふりんもお前のメンバーの一人だろ。」
LOVEは非情に言い放った。
「しぇふりんがそんなこと言うはずがないだろ!」
「ツーガンGの言うこと信じるんじゃなかったのか?!」
ケンカを始めるLOVEとクリムゾンを横目に、シャンメリが冷静に言った。
「しぇふりんに聞けばわかることです。直接聞きに行きましょう。」
シャンメリは、俺はクリムゾン様から聞いたがな、と心のなかで思った。



















調理室。

「「しぇふりん!」」
クリムゾンとツーガンGが調理室を勢いよく開けると、一斉に料理班が見た。
二人が、しぇふりんに事情を聞く前に、白狂の怒りの声がとんだ。
「どういうことだ、貴様ー!」
しぇふりんはあまりの恐ろしさに震え上がる。
クリムゾンがしぇふりんに事情を説明し、正直に言えば許してくれるから、と無責任にツーガンGが隣で耳打ちした。

「…あの噂話って…………




















ハロンオニ様から聞いたんですけど……。」













「「「「「あのパシリーーーーーー!!!」」」」」
ハロンオニを除く裏マルガリータ四天王が、初めて息が合った瞬間だった。


そこに










べーべべに担がれてハロンオニが到着した。

「なるほど、そういう話だったのか。」
とべーべべは納得したように頷いた。
一人青ざめ動かなかったハロンオニを問いつめ、大体の話を聞き、ちょうどしぇふりんに真相を聞きにきた所だったのだ。

「バカ!なんでそんな噂を広めたんだよ!」
とLOVEがまるで、保護者のように叱った。
「広める気なんて無かったんだ!しぇふりんに話すネタが尽きちゃって…それで…。」
「適当に面白おかしくつくった話が、広まってしまった、ということか。」
クリムゾンがハロンオニの頭に手を置きながら言った。
「口は災いのもと、ってな!」
とおやじ袋が軽く笑いながら言った。
「ごめんなさい!嘘ついて!!」
とハロンオニは涙を流しながら頭を下げた。
部屋中に緊張が走った。



最初に口を開いたのは、べーべべだった。






「……お前のしたことは、許されることじゃねえ。」
べーべべは、ハロンオニに頭をあげろ、と続けた。
「でも、上司ってのは、いつでも部下にカッコつけたいもんだ。」
そうだろ?とクリムゾンにふると、無駄に激しく首を縦に振った。
「つまんねえ男心に付き合わせちまって、LOVEやナイチンガールには悪いが、許してやってくれねえか。」
べーべべの珍しい一言に、仕方ないな、べーべべ様がそう言うなら、と皆が笑った。

















一人以外は。






「貴様ら、何の話をしている?」
白狂だ。
「いや、だからもういいだろ。」
とべーべべ。そうですよ、とクリムゾンも続く。
目を見開いて固まる白狂に、ツーガンGとシャンメリとしぇふりんは震え上がった。
ナイチンガールは、ありゃあヤベえぞ、と呟いた。

「ハロンオニは嘘など言っていない。」
きっぱりと言った白狂の言葉に、全員目を丸くした。はっ?と声が漏れかけたぶりっこ袋の口を、タコチュー袋が手で抑えた。
「謝ることはない。ただ、オレの話をその意味の分からん生き物に話していたのは気に入らんがな。」
意味の分からん生き物を、クリムゾンとツーガンGは力いっぱい抱き締めた。
「おい、白狂。」
べーべべは汗をかきながら、白狂の後ろ姿の肩に手を置いた。
「…ナイチンガール…、オレの部屋に来い。」
そう呟いた白狂が、ハロンオニを担ぐのを見て、べーべべはその手をどけた。

「白狂様、医療班部屋でよろしいでしょうか。」
片手に持っているハロンオニを気にしながらナイチンガールは言った。


「そうでちゅね~。手術の時間でちゅよ~!」



誰もが諦めた瞬間だった。













白狂の部屋から出てきたハロンオニの姿は、白目を剥いて、失神していた。泡を吹きながら、人の言葉を話せていないハロンオニを哀れむように、LOVE、クリムゾン、3ぶくろ、べーべべは見ていた。
「噂通り…ね。」
LOVEが呟くと、クリムゾンと3ぶくろは力なく頷いた。
「ハロンオニは、嘘はついてねえ、か。ハハハ、やってくれる。」
とべーべべは他人事のように呟いた。


















ここ裏マルガリータでは、病気になった時、一番恐れなければならないとされていることがある。
それは、白狂行きの知らせを受けること。


白狂に病気、怪我のことが知られると、問答無用でオペされ、最悪の場合死に至る。(所謂ショック死によって。)




その現場を直接見たのは、べーべべと裏マルガリータ四天王だ。

病気と知られた者は、白狂の部屋に連れて行かれてしまう。また、白狂の噂を広めるなどの行為をした場合も同様に連れて行かれる。

帰ってきた者は失神していたり、泡を吹いていたり、白目を剥いて、一言も人の言葉を話せなくなってしまったり…と、それはそれは恐ろしい姿をしている。


それ故、裏マルガリータの者は、白狂の部屋を、医療班部屋をこう呼ぶのだ。

















闇病棟、と。

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終わったあああああ!!!ヽ(*´▽)ノ♪
大大大大好きな裏マルガリータ(裏マルハーゲ)!!
いやー、長かったなあ。これ書き終えたの1月3日って(笑)年越しちゃったよ←


ハロンオニが可哀想な感じで終わっちゃって、ハロンオニファンの人には、ごめんなさい( ;∀;)
そして、キャラ崩れごめんなさい(;o;)


それにしても書きやすかったなあ~。
クリムゾンとべーべべと白狂が動かしやすいとか予想外だったwww
いや、シャンメリとツーガンGとナイチンガールも大活躍だし←

全員が本当に本当に愛しい!!(〃∇〃)
特に白狂、クリムゾン!!いや、ツーガンGも!!(///∇///)
みんな愛しいよ!!!!

他にも小説あげられたらいいなあームリっぽいけど(笑)

お付きあいありがとうございました☆