週刊文春の先週号に「大激論!「普天間海兵隊」はどこへ行く」という特集が載っていた。
 櫻井よしこさん、山内昌之さん、山口二郎さん、大城立裕さん、高橋洋一さん、孫崎亨さん、佐藤優さんの7人が、約半ページ強の分量で意見を書いている。
 それぞれの内容をごく大雑把にまとめてみた。

櫻井氏 中国の脅威について書き、鳩山首相がいきあたりばったりだと批判。
    現行案(辺野古移設案)を支持。
山内氏 歴史的思考力が乏しく発言が軽い、と鳩山首相を批判し、辞任を勧め
    る。
山口氏 普天間移設問題と日米安保の関係をしっかり検証することを提案。
大城氏 本土の沖縄に対する政治的差別が残っていることを指摘。
高橋氏 うまく振舞わない鳩山首相を批判し、辞任を勧める。
孫崎氏 沖縄の問題に国民の目を向けさせた点では、鳩山首相にも評価すべ
    き点があると指摘。
佐藤氏 沖縄県内への移設を強行すると、基地が沖縄住民の敵意に囲まれる
    ことになり、日米同盟の機能が著しく低下する、と指摘。

 おおきく分けると、櫻井氏が、「日米安保マフィア」に近い見解で現行案を支持、大城氏・孫崎氏・佐藤氏が沖縄県民への配慮を重視した見解
 山内氏の文は、鳩山首相の批判がいろいろと書いてあるが、山内氏自身の立場はあまり明確ではない。
 山口氏は、「普天間移設問題と日米安保の関係をしっかり検証する」ことを薦めている。そこには、「検証すれば現行案を実行しなくても日米安保の危機はやってこないことがわかるのではないか」というニュアンスが感じられる。どちらかと言えば、日米安保マフィア的な考え方には否定的で、現行案以外の方法が見つかるかもしれないというニュアンス。
 高橋氏は、官邸にいたことがある経験から、「鳩山首相のやり方が下手だ」ということを言っている。だが、「普天間移設問題自体どうすべきだと思うのか」ということについての高橋氏自身の意見はほんの少ししか書いていなかった(沖縄県内しかないという感じのことが少しだけ書いてある)。どちらかと言えば、日米安保マフィアよりで、現行案以外にないのではないか、というニュアンスである。
 私は、山口氏の書いていることは、基本的なことに立ち返ることの重要性を気づかせてくれる大切な指摘だと思った。
 また、佐藤氏の見解も、日本の安全保障と沖縄県民のことの両方がよくわかっているバランスのとれた考え方だと思った。


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