かなり前に、鉛直方向の気温の分布や湿り具合い、上昇流の発生度合いで
大気の安定度を書いた(詳しくはココ)けど、下層が上層より湿っていると
上下間での対流が起き易くなる。



こんな感じの図で説明できる。

 



ある高度にある空気の層(気層)A-Bを考える。
下端のBが温度T1、上端のAがT2で、その温度傾度は小さく気層A-Bの
大気の安定度は大きいとする。
(Bの高度にある空気塊は自発的に上昇できない。)

一方、気層の下ほど湿っているものとし、下端Bが最も湿っているとする。
(気温と露点温度との温度差が、下層ほど小さい。上端Aの露点温度を
Ta、下端Bの露点温度をTbとする。)


この気層A-Bを強制的に持ち上げたとき、どんな変化をするだろう?
下端Bの方が湿っているので、より早いタイミングで露点温度に達し、
水蒸気が凝結する。以降は1kmあたりの温度減少度合いが小さくなる。
が、上端Aは凝結に達しないので、温度減少度合いは変化しない。

すると、この気層が上昇したとき、上端と下端の温度差が大きく
なる。この温度差次第では気層内で対流が起き易くなる。
気層が地上付近に存在しているときは不安定ではないが、上昇すると
それが顕在化するのでタチ悪い。


以前書いた、”ある高度”の、”ある空気の塊”だけが上昇するのは仮想的な話だが、

気層全体が上昇するという考え方はより実際に近い。

これを、「対流不安定」という。

「下層ほど湿っている」ということがミソであり、夏に夕立が多いのも
地上付近は暑く、土壌や樹木からの蒸発で水蒸気を多く含むから・・・、と
いうのも要因のひとつである。

停滞前線(この時期は梅雨前線)に下層の暖湿流が流れ込むときも
要注意で、こうなると穏健な停滞前線が凶暴化する。いわゆる、「前線を
刺激する」と言われるヤツである。

これについても、いずれ書こうかな。