舌を頼りに 33年間食べもの絵日記を描き続けている 雑食性サラリーマンです。
富久重(松山市)・ハラミランチ
伊予鉄松山市駅から横河原線で2駅、いよ立松駅に降り立ち、北へ数分歩くと東西にのびる商店街に出る、その商店街をさらに東に数分、店の前に客が並ぶ光景が忽然と現れる。地元で人気の焼肉店の富久重だ。
知人に会うために7年振りに松山を訪れた私は、空港から富久重に直行した。土曜日の昼時だがさほど待たされることなく入店出来、久しぶりに再会した知人と焼肉の網を囲み、人気のハラミランチにホルモンを追加して、昼焼肉を楽しむ。
松山が舞台の夏目漱石の小説坊ちゃんでは、後半、坊ちゃんと山嵐がいっしょに牛鍋を食べる場面があるが、坊ちゃんが山嵐に「君そこはまだ生煮えだぜ、そんなの食べると條虫がわくぜ」と言うくだりが大好きな私は、牛鍋と焼肉の違いはあれど、松山で牛肉をつつきながら、例によって文学の世界へと耽溺してゆくのである。
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