東北新幹線の現在の最速達列車の種別は『はやぶさ』ですが、かなりの数のE5系が揃う前の2013年度までは、まだまだ『はやて』の方が多数派でした。現在、盛岡~新函館北斗間と新青森~新函館北斗間だけを走るシャトル列車にのみ『はやて』の愛称が使われていますが、実は今でも東京口でごくたまに、『はやて』の愛称を見ることができる機会があります。
『はやて』の愛称が登場したのは2002年。東北新幹線の盛岡~八戸間が開業した年から、使われ始めました。その後、2010年12月に新青森延伸を果たしてからも、しばらくの間は『はやて』の方が主流の状況でした。
現在の東北新幹線のエースであるE5系。現在、北海道にまで足を伸ばすようになった同形式ですが、導入の過渡期には東北新幹線を走る『はやて』として使われていたこともありました。
ところが、『はやて』という愛称でE5系を思い浮かべる方は、どちらかと言えば少ないのかもしれません。『はやて』といえばやはり・・・
E2系の方が真っ先に思い浮かぶはずです。現在のE2系の主な活躍の場は上越新幹線で、東北新幹線では基本的に、『つばさ』と併結する『やまびこ』でのみの使用に留まっています。既に仙台以北での定期運用はなく、2022年度からは東北・上越両新幹線内での運行本数が大幅に減らされる見込みであることから、引退へのカウントダウンが始まっていると言っても過言ではありません。
もうE2系が、『はやて』や『やまびこ』で仙台以北を走ることは二度とないのだろうかと思っていた矢先、奇跡が起こりました。前回の年末年始期間中、E2系を使った臨時の『はやて』と『やまびこ』が運行されたのです。『はやて』に関しては新青森行きであったため、E2系の新青森乗り入れが久々に、実現しました。
『はやぶさ』の東北新幹線内での営業最高時速は320km/h。ところが『はやて』に関してはE5系で運行されたとしても、E2系の性能を踏襲した270km/h程度に抑えられています。実際、途中駅でE2系『はやて』をE5系『はやぶさ』が追い抜くといったケースもあったことから、E2系とE5系でかなりの性能の差があることが、うかがい知らされます。それでも盛岡以南で『はやて』の愛称をまだ見ることができるのかと、安堵させられたりもします。
E2系は2010年まで製造されたため、全ての編成が引退するのは10年位先になると考えられるため、E5系に置き換えられる前の東北新幹線を彷彿できる光景はもうしばらく、見ることができそうです。