2023年度末、いよいよ中央線快速列車でのグリーン車の営業が始まります。既存のE233系10両編成(10両固定と、4+6両の分割可能編成がある)の中間に、他の路線と同じく2階建てのグリーン車を2両連結。12両編成で中央線と青梅線の立川~青梅間で営業運転を始めます。現在、グリーン車組み込みの準備の一貫として、これまで設けていなかったトイレを設置する工事が順次、施されているところです。中央線での着席通勤に新たな光が・・・と思いたくなる一方、新型コロナウィルスの感染拡大の影響が残っているからなのか、来春に営業区間が削減される運びとなった路線があります。
①宇都宮線 宇都宮~黒磯間
現行でも朝と夜の一部列車を除いて、宇都宮駅での乗り換えが必要となっていた宇都宮線でしたが、来春からは東京方面と黒磯の間を直通する列車が全てなくなります。上野東京ラインの開業でロングラン列車の座を獲得してきた熱海~黒磯間の列車も来春、宇都宮で系統分離されることで消滅することに・・・。加えて、現在ローカル用として使われている205系が引退し、ワンマン対応のE131系という車両に統一されるとのこと。なのでグリーン車を連結したE231系やE233系がこの区間を走る姿は、今年3月10日頃を以て見納めとなります。
②常磐線 土浦~高萩間
日中、上野東京ラインを経由して品川発着になる列車が1時間あたり3本に増える一方、土浦以北は原則、グリーン車を連結しない5両編成での運行となります。こちらは、中長距離列車用のE531系が勝田車両センター所属ということもあり、車両基地への出入庫を兼ねた直通列車が朝と夜に残る見込みとなりますが、来春以降は殆どの時間帯で、土浦駅での乗り換えが必要となります。
つまり3月12日以降、普通列車のグリーン車の営業がある路線が以下のように、改められます。
・ 東海道線 東京~沼津間
・ 伊東線 熱海~伊東間
・ 横須賀線 久里浜~東京間
・ 総武線快速 東京~千葉間
・ 内房線、外房線、総武本線の一部区間
・ 上野東京ライン
・ 湘南新宿ライン
・ 宇都宮線 上野~宇都宮間
・ 高崎線 上野~高崎間
・ 両毛線 高崎~前橋間
・ 常磐線 上野~勝田!? 間 ※土浦~勝田間は原則、グリーン車の設定なし
ただ、コロナ禍による利用者減少が長期化すれば、設定を廃止したり時間帯を縮小したりする区間が、更に増える可能性が否めません。特に伊東線やJR東海区間の東海道線、両毛線、あるいは内房線などの房総各線への直通が原則として取り止められたり、JR東日本区間の東海道線でも日中、小田原で系統分離をするようなことが起きるかもしれません (東京~小田原間はグリーン車有りの10両編成だが、小田原~熱海間はグリーン車なしの5両編成で運行するなど)。また、利用者が少ない時間帯の列車は、15両から10両へ短縮するなどの措置も取られるのではないでしょうか。
運行パターンの著しい変更は他にも、小田急電鉄で来春、実施されることとなっています。時間帯や区間に応じた利用客の大小による車両のやり繰りなど、コロナ禍による鉄道利用の変化が長く続くのであれば、来年以降も行われるようになるのかもしれません。