笑いのつぶやき
笑いの散歩 301~500
笑いのつぶやき
「たぬき村の議会を覗くのら猫」
狸村で遠慮しながら生きているのら猫が、狸の議会に紛れ込んで、珍しい狸の議会を覗き聴きしていた。
議会を覗くのら猫
その議会の様子とは、
大臣の曖昧な答弁に、質疑を語る議員は「あなたはこれからも大臣として真っ当な仕事がつづけられるのか?」と、問いただすと、その大臣は、「そんなことは当たり前だ」と、堂々と胸を張って答弁していた。
わかっちょるがなぁ 当たり前だ
うそっちょだらけの大臣
だが、問題の核心になると、どうも当時の記憶がぶっ飛んで覚えていないと苦しい答弁を繰り返す。
議会室は、その記憶の曖昧な大臣答弁に野党側は嫌気がさしてきた。おまけに、靄(もや)のかかった議会室はその大臣のタヌキ屁やらの演技で巧妙に誤魔化されようとしている雰囲気が漂っていた。
知りません大臣
記憶にありません 思い出せない
「やったのか、やってないのか?」
いきり立つ議員が更に突っ込むと、
「記憶がボケて、はっきりしない」
と、何とも困った大臣の思い出せない答弁
「証拠が、これこれ、このようにあるが?!」
「その書類に私のサインがあるのなら、無意識にしたのだろう」
野党議員いらだち
ええいいぃ・・ハッキリ応えんか
バカにするのもいい加減にせんか
「無意識でも歴としたサインがある以上、あなたにこれ以上の要職に就くことはまかりならない。嘘の責任をとって大臣を辞めてもらいましょう」
「責任と言われても、そのサインに確かな記憶がない」と、
何度も繰り返す大臣だ。
野党側は、この嘘のショットガン大臣にあきれ返った。
考える のら猫
聴いていたのら猫は考えた。
狸の議会では、曖昧や嘘が言葉の中に整然と並べられ、あたかも魔法にかけられたきれいごととして議会に響き渡っていた。総領の狸も、筋を通そうと、あれこれと答弁に苦しむ大臣を助言したりと、さまざまと擁護する。
議長の狸を見れば、当然ながらの知らんふりを装って、議会の進行を高々に指揮する。
のら猫は思った。
果たして正体を明かそうとしないこの狸大臣は、大勢の狸の世界を背負って苦難の道を歩むことができるのであろうか。
傍聴するのら猫は、当時の己のありのままの姿を、大事な議会で正直に述べない大臣に何度も疑問に感じた。
ところで、うちの猫組合の議会はどうであろうか。
親友のどら猫にきいてみよう?だが、のら猫のおいらに、すんなりと議会の混沌とした様子など教えるわけなどないだろうな。
爪を立ててお前の その顔をひっかくぞ
猫の議会を仕切る どら猫
そうなら猫の議会の様子も、これとおなじかなぁ? とりわけうちのどら猫も損得の計算は誰よりも早く、嵐のごとく口数の勢いで周りの草木をなぎ倒すほどだからやめておこう。おいらのこの大事な正論の褌まで危うく飛ばされちゃお終えだ。
そんな危ない橋を渡らんでも、後に優秀な猫がでてくるのを待とう。必ず出てきてほしいなぁ。
あの狸
人さまの武士道なら切腹やなぁ。
その点、吾輩は
タヌキに生まれんでよかったなぁ。