幹事はやりたい?やりたくない? | 源のブログ

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私はやりたくない 派!

本文はここから

幹事はもぅやりたくないです。

でもね、若い時はよく幹事を言いつかったものだよ。お人好しが体中に出ていたから、こっちでは幹事をさけられても、あっちに行けば「お前幹事だぞ」と、やすやすと言われたものだ。でも、よく幹事をやったよ。二次会までは幹事の責任があるから結構気を使って金もつかったなぁ。それを引きづっていまでは貧乏に花が咲いている。

 

それでは小話とまいります。「幹事」は山田、お前がやれの巻き。

「おい、山田」と係長が部下の山田に声をかける。

「はい、係長。お呼びでしょうか?」

「お前なぁ、いいか、俺の代わりに今度の幹事をやれ」

「ええ!また宴会の幹事ですか?」

「嫌ならいいぞ。庶務では葉子さんが幹事と言っていた」

「え!葉子さんが幹事ですか。それなら僕、喜んで引き受けます」

「それならとは何だ?葉子さんとなら具合が良いのか?」

「はい係長、葉子さんは頭も良いし、てきぱきとして器量だって、お金の勘定だって早いし、それに美人でしょうが、ねぇ、係長」山田は嬉しくて仕方がない様子で話す。

「美人の、それがどうした?」

「美人のお酌で飲む酒なんて、最高じゃないですか」

「これ、山田。幹事のお前たちが何でお酌で注しつ注されつなのだ?」

「だって、社長や部長からたんまり戴いた会費や祝儀を上手に浮かせ、後の御苦労会ですよ、係長」山田の嬉しそうな様子は、もぅ仕事どころではなかった。

「抜け目のない女狐と一緒じゃ、おっちょこちょいな山田は終始騙されっぱなしか」と、係長がつぶやく。そして、

「いいか山田、その御苦労会には俺も呼べよ」と係長が付けたした。

「ええ!係長も御苦労会に出るの?」と、山田は驚いた。

「何だ!そのがっかりした顔は?俺が出ては具合でも悪いか?」

「だって、係長はお客さんだから祝儀が必要ですよ」

「祝儀?ばか者。お前たちの狡(ずる)さはどれほどのものかを検分すのに祝儀などあるか」

「ええ!検分ですって」

「そりゃ当たり前だろう。騙し上手な女狐と、騙され上手なお前の仕業をみるためだ」

「ああ、係長が検分などとついに犬になっちまっだ」

「犬?」と、怪訝(けげん)そうな顔付きで繰り返した。

「犬になって分け前が欲しいというのだ」

「何だとぅ?」

何時も係長にやられぱなしの山田は珍しく一本勝の勝どきをあげた。


では、では、このあたりでさようなら。

幹事はねぇ、他の誰かに頼んで今宵はあなたとゆっくり飲みましょう。では、またお会いしましょうね。




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