笑いのつぶやき
笑いの散歩51~100
53「食わせ物」
これは、外見はよくても中身がダメなもの。または実質が伴わないにせものを言います。ですからヒトをだますことになります。笑いでヒトを騙せたらりっぱですね。
「係長、今月の売り上げは全く期待できませんね?」
「こら、お前たちがそのような弱腰でどうするのだ。あっと驚くようなアイデアでいい物を拵え、それを売って売り捌くのがお前たちに課せられた仕事であり、それがお前たちの任務であると思え」
「ですが係長、この製品じゃ、人の眼がこっちに向いてきませんね」
「それを、こっちに向かせるのが商いの根性という、その商いの大事な魂だ」
「え、商いの魂ですか?」
「おい山田、お前は商いの魂もわからないのか?」
「わ、分かっています係長。あっちに向いている眼を、こっちに向かせれば良い事でしょう」
「何だ!ええ、知っているなら早くそれをやれ」
「立派なものができました、係長」
「お!早いなぁ・・どれどれ?何?・・『金だまりの壷』!?」
「そうです係長。床の間に飾っておくだけで金がたまる壷です」
「何?床の間に・・飾っておくだけで金がたまる壷??おい山田、この壷・・本当か?」
「おお、ドケチな係長で際、眼がランと輝いて壷に向けられましたねぇ。それじゃこたびは、この商いの根性で参りましょう」
え?床の間に飾って置くだけで、金がたまる壷ですか。それならうちにも一個くらい欲しいな。次の商いのど根性の魂は「金のなる木」ですって。え?金のなる木、それも本当ですか?!
金がたまる壷がほしい 源五郎