前記事で紹介した伊吹山の日の出を見た翌日にまた登山しました。

 

 

 

●目指すは大蛇嵓(だいじゃぐら)

伊吹山の雲海と日の出を見た翌日、今度は奈良県南部の大台ケ原(おおだいがはら)に行って来ました。

年間総雨量5000ミリという雨の恵みが豊富で水潤う台地。それだけに去年の夏に訪問した時は、濃霧でほとんど景色が見えませんでした。今回はかなり良いコンディションで期待できます。一番のハイライトは、ハイキングコースの最奥にある大蛇嵓(だいじゃぐら)です。

嵓(ぐら)というのは、岩とかそんな意味らしく、その昔、大台ケ原に木の皮を採りに入った男の前に現れた、大蛇の姿をした怪女が、大台ケ原の山の神様と闘って(他の山の神様の加勢ももらって)敗れたという逸話があるみたいです。まんが日本昔話(←この漫画知ってる人、もうほとんどいないかな?)にその回があったようです。(YouTubeで見つけました→まんが日本むかしばなし 「大蛇嵓の怪女」





去年もブログに載せましたが、こんな場所です。

大蛇嵓 | 大台ヶ原の観光・登山ガイド (360navi.com)


岩場の先に、簡単な柵が設置してあります。
先端に向かって、かなり傾斜があり、下っていて少し滑りやすいので要注意な場所です。万一転がったり滑り落ちて、柵を越えて落ちてしまうと、待ち受けるのは落差800~1000メートルの谷で、まず助からないでしょう。でも見る価値は十分にあります。



前日はAM1:30に起床しましたが、この日はAM3:00起床でした笑(´っω-`)ゴシゴシ
そして大台ケ原ビジターセンター前の駐車場に着いたのが6時過ぎだったかな。
駐車場は既に満車状態。みんな朝早くから好きですねぇ~(お前もな!)





●Departure(出発)

トイレを済ませて、装備を整えて出発します。


ここはツキノワグマの生息地です。基本的にどこの山にも多かれ少なかれ熊はいますが、ここは多いのです。立ち入りの際は熊対策を忘れずに。しかし、他にも登山者が多いので、持って来た熊鈴は付けずに歩きました。相方と二人で喋りながら歩くのでそれで熊除けにもなるし。(←あくまで個人判断)



標高1500メートルくらいあるので、かなり涼しい。というか寒いくらいなので1枚余分に羽織って出発しました。結構涼しいせいか虫も少なく、鶯も沢山鳴いています。うちの地元では珍しいコマドリも鳴いてました。一瞬だけ茶色の姿が見えましたよ。あとはよく知らない声の鳥も沢山いました。




●シオカラ谷

お勧めのハイキングコースとは逆回りで歩いているのですが、出発から、どんどん下って標高を下げていきます。



こんな石段を延々と降りてくるのですが、この石段は落差が大きくて、しかも凸凹で結構歩きにくいです。今回はローカットの登山靴を履いているので捻挫に注意しながら慎重に歩きます。



そして、シオカラ谷に着いて吊り橋が現れました。シオカラ吊り橋です。かなり揺れます。

 

 

 

 



 

 

 

 

 

沢にも下りてみました。

水が澄んでかなり綺麗ですね。山奥で誰もいない沢に出るときは、一応近くに熊がいないかサッと見て確認してます。たまたま沢に水を飲みに来ていた熊とバッタリ鉢合わせしたとかいう体験談を時々見かけるので。相手が親子熊だったらかなりマズいです。ま、今まで一度も合ったことがありませんけど。



●大蛇嵓に着いたけど景色は?

ここから、今度は大蛇嵓に向けて登り返しです。

登山道じゃない所ばかり撮ってますが・・・。

 

 

 

 

 

どんどん登って登って。

基本的に涼しいですが登るとやはり汗だくで、体力も削られますね。なんとか険しい登りも終わって、途中で道を間違えたりしましたが、無事に着きました。



気になる眺望はどうでしょうか。





今回は、最高でした!やった!





ちょうど、ほとんど人がいなく、二人ほど先客がおられたんですが、足場の悪さと高度感が怖いらしく座ったままでソロソロと崖の先端に向けて降りておられたので、その方の横をすり抜けて先端まで行かせてもらいました。僕も相方も、割とこういう場所は平気なんですよ。そして先端の柵から見渡すかぎりの絶景を堪能しました。





手前に見えているコブみたいなのが大蛇嵓です。なるほど蛇の頭みたいな形ですね。写真を撮っている僕と相方、それと柵の影が写ってますね。




写真は景色の一部を切り取るだけなのですが、もうね、こんな景色が広がって視界に入りきらず、あまりに綺麗過ぎてどこを見たらいいのか迷うくらいでした。




とてもここからは見えませんが、遥か1000メートルくらい下にある谷を流れている川の音、鳥、風の音、次々と形を変えてゆく雲と、冷たい風と、眩しい太陽と澄んだ青空と、どこまでも続く山々。いくら眺めても飽きません。









展望場所のとなりに見える、切り立った崖。崖の上に生えている樹々の大きさを見れば、そのスケールの大きさがわかると思いますが、下の方はどこまで続いているんだろうと、気になって覗いてもとても見えません。




太古の昔から、人はこんな景色に魅了されてきたことは万葉集やら随筆を読めばわかりますが、自然の景色を楽しむ感性は、おそらく現代人にもDNAとして受け継がれているんでしょうね。

 

 









YouTubeに大蛇嵓の上空から撮ったドローン映像がありました↓どんな場所から景色を見ているのかよくわかります。上の写真にある切り立った崖の正面が展望台なので、位置関係がわかると思います。

 


来て良かった。歩き疲れながらも目的地に着いてホッとした気分が相まって、余計に綺麗に見える。ずっと見ていたいですが次々と人がやってきて、皆この崖の先端から景色を眺めたいので、ある程度楽しんだら退散します。


と、ここから少し戻った場所で昼食を取っていたら、雲が流れてきて、あっという間に大蛇嵓は霧に包まれて視界がゼロになってしまいました。水に潤う大台ケ原は、すぐに霧が出てしまうので、いつまでも絶景を楽しませてはくれません。結果的に一番いい時間帯に楽しめたようです。今年はラッキーでしたよ。


この場所が一番のメインとなるのですが、ここはコースの一番奥です。ここから折り返しなので、まだまだ歩きます。


大蛇嵓を凌ぐほどの絶景はもうありませんが、まだまだ綺麗な景色は続くのでありました。