この夏行っておきたい山がまだありまして、昨日、豊かな原生林が残る奈良県の大台ケ原に行ってきました。「天気とくらす」ではA判定でしたが、ここは屋久島と並ぶ雨量の多い地帯です。やはり雲が多い一日でした。
朝、8時前に大台ケ原ビジターセンター前に着きました。普通の土曜日だというのに車が多いです。
ここは、去年バイクでツーリングに来ました。バイクも沢山やって来るし、自転車で登って来る方もおられます。ちなみに大台ケ原は毎年自転車のヒルクライムレースが開催されており、かなり過酷なコースとなっています。サイクルハンガーも常設されてますが、ここへ上がって来れる人はかなりの強者です。
装備を整えて出発ですが、このあたり一帯はツキノワグマの生息地です。
熊鈴と熊除けスプレー(普通の催涙スプレーで代用)を持ってきましたが、それなりに人が歩いているので、結局ほとんど鈴も鳴らさずに歩いてました。ずっと喋りながら歩いてるので安心かなと。
まずは、日出ケ岳という山の山頂まで行きます。(下の動画では日出ケ丘となっていますが日出ケ岳の間違いです)
大したアップダウンも無く整備された道なので難なく到着です。家族連れなど、ここまでの往復の方も多いようです。
ここから、本日のメインである大蛇嵓(だいじゃぐら)を目指します。
ここは木道が多くて歩きやすいです。しかもさすが国立公園だけあって、かなり整備されています。
大台ケ原の白骨林と呼ばれるこの枯れ木の光景は見る分には綺麗ですが、増えすぎた鹿が植物や木々を食い荒らして森が消滅した後の惨状です。鹿は木の皮を食べるので、皮を剥がれた木は病気になったり枯れていくだけです。食物連鎖の頂点だった日本オオカミが絶滅したので(絶滅させたのは人間なのですが)天敵は狩猟者だけなのですが、それも高齢化で激減。今や鹿が増え放題で鹿害とまで言われています。
こうなると、鹿は害以外の何物でもないように聞こえますが、森林は木々の間隔が密過ぎても根や地面に日が当たらず、健全な状態を保てません。鹿がある程度木を枯らして間引きしてくれることで、豊な森が維持されるわけです。それも鹿が適正な数であるということが前提なのですが。自然は絶妙なバランスの上で成り立っているんだと改めて思いました。
日本オオカミや野犬など徹底的に駆除した人間に原因があると言えばあるんですが、一方では狂犬病という恐ろしい病気もあるのでなかなか難しい問題ですね。それはともかく、自然のバランスを崩すことなく人間の文明が共存していくのは簡単なことではないと思いました。
話が逸れました。
ここからる大蛇嵓(だいじゃぐら)へ向かいます。周回コースになるのでここからは人が少なくなります。
標高が高いので、ジッとしていれば涼しいのですが、歩くとかなり汗を掻きます。細かいアップダウンもあります。
そして大蛇嵓へ。
崖っぷちの岩場に立つことができる凄い迫力の場所です。
崖の先端の形が蛇の頭のように見えるということです。確かに。
ちなみに晴れていればこんな景色です。
360@旅行ナビより写真拝借
岩のすぐ先まで行くと、そこからは谷底まで何百メートルも切れ落ちています。写真ではわかりにくですが、かなりの勾配がある岩の斜面で、足を滑らせると崖に向かって転がって行きそうです。頑丈な柵が設置されているお陰で岩の先まで行くことができますが、何もなければ滑落の恐怖で到底進めません。
ここは一番のハイライトな場所なので、結構多くの人がいました。雲が多いとはいえ、見たことがないような巨大な崖と絶景と独特の空気感がありました。
谷底は見えませんが沢の音がかすかに聞こえています。雲が多くてスッキリと見渡すことはできませんでしたが、時折雲の切れ間から現れる絶景をしばらく楽しんでました。
ここから、出発点のビジターセンターのある駐車場まで、それほど距離はありません。しかし、一旦谷まで急峻で岩がゴロゴロした登山道を延々と下って、吊り橋を渡り、そこからは、これまた急な階段の連続で、終盤で一気にクタクタになりました。しかも気温が上がってきたので、これはちょっとヤバいと思いつつ、なんとか戻ってきました。車に戻ったと同時に雨が降ってきたので、間一髪でした。
獲得標高は500メートル弱でたいしたことがありませんでしたが、距離は8キロ足らずで、ここ最近ではよく歩けたので満足でした。一度、快晴の大蛇嵓を見たいので、またリベンジします。
今夏は徳島県の剣山もガスガスだったし、滋賀の伊吹山も雲だらけ。大台ケ原もこんな感じでリベンジだらけの夏登山となりました。^^;