この記事は2020年1月11日の活動記録です。
琵琶湖から大阪湾へ流れ込む淀川(よどがわ)。その支流の一つが京都府の桂川(かつらがわ)です。その桂川の支流の一つが細野川(ほそのがわ)。そのまた支流に芦見谷川(あしみだにがわ)という川があります。京都の愛宕山(あたごやま)の北にある山奥の芦見谷に芦見谷川はあり、その源流があるのです。要するにこの源流から流れ始めた山水が遥か先の大阪湾まで流れて行くということです。
とあるキャンプ場のHPによりますと、普通、川は下流にいくほど濁るものですが、前途の細野川は芦見谷川が合流すると透明度が増すらしいです。
そんな芦見谷川の沢沿いの道は、破線ルートで(登山地図では登山道は実線ルートと破線ルートで書かれていて、破線ルートは荒れていたり通行止めなどの可能性がある登山道。バリエーションルートと言うことも。)登山者でさえ立ち入ることが少ない山道です。以前、芦見谷川の沢沿いを歩いたことがあるのですが、少々迷ったりしたので今回はリベンジで行ってきました。
今回の登山はこんなコースです。
京都市右京区の区役所宕陰(とういん)出張所の横にある駐車場に車を止めます。ちなにに宕陰とは、愛宕山の陰に隠れているという意味で名付けられたそうな。
少し歩いて、愛宕神社の一ノ鳥居がある原登山口から入山します。
この道は登山道というよりは、
山の整備用に4輪駆動の車が通る為の道です。(一般にジープ道とも呼ばれる)
かなりの急勾配な道を登って行くのですが、途中でスズキのジムニーが上がって来ました。山頂付近の愛宕神社に向かうようです。荒れてガッタガタの急勾配を難なく上ってくるジムニーはかなりカッコ良かったです!
我々はトテトテと足で登って、いつもの雲海を眺めます。
登山道(ジープ道)をまっすぐ歩いて行けば愛宕山なのですが、今回は芦見谷へ行くので途中で折れて北へ。いよいよ破線ルートで山奥に入って行きます。
しばらくの間、どんどん下って行くと芦見谷川の源流を見ることができます。
ここが川の始まり。この一滴の水が芦見谷川になり細野川、桂川、淀川となって大阪湾に注ぐのです。
飲んでも大丈夫らしいです。お腹弱い方なので飲みませんけど^^;
さて、この沢沿いを下って行くと左側に竜ヶ岳という山があるので、下って山頂に登れるポイントまで移動します。しかし、どこまでも沢に沿って歩いて行くと、滝が現れて先に進めなくなってしまいます。(←前回失敗しました)
なので、一旦、竜ヶ岳と反対側の右の斜面を登り、独標尾根(どっぴょうおね)という尾根筋に出て滝を越えて、また沢に下りるという迂回ルートを通らねばなりません。その尾根に登る道を見落とさないことが今回の重大事項なのです。
最初は、しばらく沢沿いを歩きます。
しかし、一昨年、去年と台風の被害で、この道は倒木だらけになってしまったようです。これを乗り越え、掻き分け、右往左往しながら進んで行きます。ペースはガタ落ちで服も汚れますが安全にゆっくりと進みます。
GPSアプリと紙地図で確認しつつある程度歩いて、相方が調べた事前情報によると、もうこの辺りで尾根に上がって迂回しないと滝に行き当たってしまうのです。
どこから登ればいいのか、コースサイン(※注)も見当たらず少々迷います。(注:コースサイン・・・登山道(ルート)を示すための標識やペンキ、リボン、ビニールテープなど。登山以外の目的で付けられたサインもあるので要注意)
ちょうどこの頃、日が出始めて木々の間から木漏れ日が差し込んできました。
誰もいない静かな沢に降り注ぐ木漏れ日。
な、なんて美しいんだ………
ほとんど名もしれない山奥にもこんなにも清々しくて気持ちの良い谷があるなんて。
さて、登る場所はどこだ~?と辺りを探して、とりあえずリボンがあった(別の場所から風で飛んできた?)場所から、無理やりに斜面を登って行きます。木と藪を掻き分けて、少々無理矢理でしたがどうにか尾根に出ました。
独標尾根という名の尾根で、それなりに道っぽくてコースサインもあるので、登ってきて正解だったようです。もっと登りやすいところがあったのかは不明ですが。
尾根を北へ進んで、尾根の標高が一番高い所に来ました。
愛宕周辺の山、独標(どっぴょう)811Mの表示。
この尾根上で下る準備をしていると、ヘリコプターの音が聞こえてきました。実は登山開始した直後もしばらくヘリの音が聞こえてました。低めの高度で谷の上で数回旋回しているところを見ると、おそらく遭難者を探しているようでした。この山域も年に何人かは遭難者が出ているので。おそらくヘリコプターからも我々が見えていたと思います。どなたか遭難したのであれば無事に救助されるといいですが。
そして尾根をどんどん下って行きます。そして再び沢沿いに。
うまく滝を回避できました。
そして下流に少し進むと竜ヶ岳山頂へのルートがあります。予定通りです。ほぼ直登でかなりの急斜面ですが、ゆっくりと1時間弱かかって山頂をゲットしました。
ここで休憩&腹ごしらえ。これで後はもう本格的な登りはありません。最初に登ってきた登山道(ジープ道)に戻って下山します。
駐車場に戻ったのが14時くらい。およそ6時間の山行でした。今回は、予定通りのルートをこなして、晴れの芦見谷を見ることができたので満足でした。
(※今回のコースは、荒れた登山道が多いです。ルートもわかりにくく足場も悪い為、遭難や怪我のリスクが高いルートです。安易な進入はお控え頂きたいと思います。)