「ラジオでメールを読まれやすくなる方法」みたいなのを見かけました
「文字数少なく、話題はひとつで行間をとって読みやすい文章にする」というのを説明しているのを見て、「右足を前に出して、次に左足を前に出せば歩けます」みたいなことを言ってもさしたる効果ないのではないかと思ってしまった自分もいます
そもそも立てないんじゃ、みたいな人も世の中にいるわけです
そういう人は文章を構築していく流れ自体が頭にないのではないかと思います
あんまりご高説を垂れるような立場でもないので、毒にも薬にもならない独り言だけ書き記しておこうと思います
いわゆるふつおたとかエピソード的なおたよりを書くパターンの流れです
結論だけ先に書くと「相手が読みやすくて反応しやすい、自分の言いたいことを書いたメールを書け」に尽きます
1)まず書く
この時点では文章の体裁はなにも考えず、ただひたすらに書ける分量だけ書く
単語、書きはしりでもなんでもいいです
2)一番伝えたい点、聞きたい点がなにか考える
質問なり主張なり、結局のところ核になるなにがしかがなければそもそもおたよりをしようとならないので、それを自分がいま書いた文章の中から見つける
あれも言いたい、これも聞きたいと複数あると思えばこの時点でおたより自体を分割して送る
3)そこから核になる部分を残しつつ、可能な限り文字を間引く
例えばおたよりを「ボクには弟がいるのですが、仲が悪くて困っています」みたいな開始にしようと思ったらまず「ボクには」がまず削れます
だいたいなにも明言しなければ、おたよりの主語は自動的にあなたになります
主語、述語等は可能な限り省略して、なおかつ読みづらくないようにすることは実はそんなに難しくないです
上記の例なら「弟との仲が険悪です」でもニュアンスは伝わります
これで既に文字数が半分以下になります
そこから具体的なエピソードにつなげられます
読む人も人間なので、文字数が少なくて一文が短ければ労せず読めます
「一度書いた文章を音読するとアラが見える」なんてあのはとどのつまりこれです
長い文章は息が切れます
読みやすい文章の書き方としてPREP法というのがあるので、それはググってください
一番シンプルな文章フォーマットです
4)一度頭を空にし、文章を読む
これは「初見の読み手の気持ちに立って考える」という意味です
文頭を読んだ時点では読み手の人はAまで分かっている、読み進めていくとBを理解する、そこでCを聞いたら話しやすい
という文章を読み進めた先にあるであろう反応を想像していけば「この言い回しだと分かりづらいかな」とか「このAのあとでCを先に聞いて、その後にBを書くと文章がスッキリする」と考えを巡らせていきやすいです
ここで初見の人の気持ちを仮であっても想像がつけば、「一文目に謎の文章を書いて興味を引いておこう」とか「ここでこの文章を差し込んで笑いを誘ってみよう」とか文自体で遊べるポイントが見えてきます
ここでは全体の文字数を見つつ、文を足すこともできます
人はだいたい一秒に四文字、喋りのプロなら上手いことすれば八文字から十文字分の発音はして見せるのでトータル四十秒以内になるようには収めれば採用という点だけ見れば確率はあがると思います
ただ、1)から4)までの工程すっ飛ばして、そのものズバリドンと書き記して送信することができないのかと言われるとそんなこともないです
だいたい1)から4)みたいなことチマチマ考えるのが楽しいのかという話にもなるので、「書きたいように書いたら?」が常日頃のボクの考えです
採用されるだのなんだの気にし過ぎるとラジオを聞くの自体、気が重くなるのでラフに楽しめばいいのにという結論に至ります
ただ世の中にはテクニカルなことが好きな人もいるので、あえてなにか順序だてて書こうと思うならこうじゃない? っていう話です
おしまい
