安野光雅1小学校の教員をしていた安野が副業でやっていた装丁などの仕事に集中するため独立したのが35歳のとき。その仕事ぶりが福音館書店の編集者の目にとまり、企画されたのが本書(安野42歳のとき)。あくまで子ども向けの「絵本」だが、見れば見るほど「ふしぎ」が増す。恐ろしいほどの完成度でこれがデビュー作なのかというほどの出来。相当エッシャーを研究したと思われる痕跡がそこかしこにあるが、エッシャーも試していない独自の空間ひん曲げも見られるような…見ていて飽きない至高の芸術。