ハービー・ハンコック10 | Review

Review

エンターテイメント評論(本、映像、音楽、お笑い…)



MWANDISHIバンドは時代の主流とはなりえず赤字を垂れ流す一方、メンバーからのギャラアップの圧力もある中、ハンコックは“自分は音楽的に何をやりたいのか”という問いの答を見つけるため、御本尊の前で何時間も過ごしていた…


そしてある日唱題していたハンコックの耳に“ファンキーなグルーヴが耳に鳴り響いた”(!)これを機にハンコックはMWANDISHIバンドを解散し、ファンクバンドを結成、さらに毎日題目を唱え続けるうち、レコードのタイトル「ヘッド・ハンターズ」という言葉が頭に浮かんだ!(らしい。ほんまに?)


Chameleon…キャッチーなベースラインの繰り返しにファンキーなテーマが乗っかり、ゴリゴリのキーボードソロが展開。ここまでで充分かっこいいが、中盤リズムがガラッと変わり、ハンコックの独壇場に。終盤のコードが重なり合っていく部分は何回聴いても痺れる!聞いているほうもある種のトランス状態となり、どっぷり没入したところで、冒頭のテーマに戻る。かなり洗練された出来で、新生バンドへのハンコックの気合いが垣間見られる…


二曲目の「Watermelon man」はデビューアルバムから、マルっとアレンジを変えている。冒頭のガラスボトルによるヒンデウフーからテーマの後半部分の演奏までしっかりとファンクバージョンで展開されたところで、おもむろにサックスがテーマを奏でる…この時点でもう降参!すべてが計算し尽くされており、このアルバムがベストセラーになったのもわかる!当時の最先端の技術が投入されていると思うが、今聴いても全く色褪せない…