東野圭吾24 | Review

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エンターテイメント評論(本、映像、音楽、お笑い…)



東野圭吾のお笑い路線第三弾


「もうひとつの助走」

文学賞をぶった斬った筒井康隆「大いなる助走」へのオマージュ。直木賞の候補に5回なりながら取れず、6回目にして受賞した東野ならではの臨場感に息を呑む。(発表時点では未受賞)


文壇裏話シリーズはどこまでがフィクション?という怖さがあるが(出版社、作家名のもじり方が絶妙)


熱海圭介のエピソードは東野氏自身の体験談も含まれている(と思われる)。底なしの自虐、寒川心五郎のエピソードにいたっては恐怖しかない。作中で登場する不条理ミステリー「虚無僧探偵ゾフィー」読みたい


設定ドタバタお笑いもの(巨乳妄想症候群、インポグラ、みえすぎ、モテモテスプレー、ストーカー入門)こういう作品群を読むと東野圭吾こそ筒井康隆の正統な後継者ではないかと見紛うほど影響を感じる。)


表紙には著者と本物の編集者の姿が