七瀬シリーズの順番は①家族八景→②七瀬ふたたび→③エディプスの恋人だが、②→③→①の順番で読んでしまったと思う。
②七瀬ふたたび
連作短編集。読んだのが中学生のときだったので、粘っこい性描写にドキドキした記憶が。久しぶりに再読したが、テレパスが読む心理描写表現が秀逸で、登場する人間の邪悪さが本当に怖い。様々な超能力者が出てくるが、ラストで自分の能力をそう使ったか!とアイデアに戦慄。
③エディプスの恋人
七瀬シリーズだが、独立した物語として読める。非常に壮大なストーリーで、筒井康隆ってSF作家なんだな、と改めて感じ入る。②から③へのもっていき方も痺れる。
①家族八景
どんどん追い込んで心を無にしていく話、どこかで聞こえる心の声の主が最後の最後にわかる話など恐怖話の真骨頂。この時点の筒井作品の到達点。
①②③ともに真鍋博のイラスト、装丁がいい。


