part13
今回の旅の最大の目玉の一つが幾寅駅でした。
幾寅駅は1999年の高倉健主演で公開された映画「鉄道員」(原作は同タイトルの浅田次郎の小説)のロケ地です。
劇中では幌舞駅と呼ばれ、公開から20年以上経つ今でも駅舎には幾寅駅よりも大きく幌舞駅の看板があります。
待合室はこんな感じ。
列車は来ませんが(代行バスは来る)、座布団やベンチなど待合室としてはかなり豪華といえます。
駅舎の中は映画で使用された衣装や小道具などが展示されていて、無料で見学することができます。
定期券まで細かく再現されていました。
運賃表には実際の北海道の駅名に加え架空の駅もあります。
初乗り(北幌舞)が80円ってめちゃくちゃ安いですね。
ホームに出てみました。かなり雪が降り積もってたので慎重に…。
こちらが新得方面を観た景色。
映画で使われた昔ながらの腕木式信号機が残っています。
幌舞駅は終着駅という設定だったので、この方向からしか列車は来ませんでした。
逆の富良野方面を観た景色。
こちらは映画ではほとんど映らなかった画角です。
どちらを見てもレールは完全に雪に埋もれてしまっているのが残念です。
ホームにある駅名標は幾寅駅のものです。
ですがホームから駅舎を見ると…
いったいここは何駅なのでしょうか…(笑)
映画でのワンシーンで使われたトイレ。
中はトイレでなく普通の小屋でした(中には入れません)。
こちらは幾寅駅のトイレ。
ただ諸々の事情で使えないそうです。近くに別のトイレはあるのでその点は安心です。
駅舎の他にも「だるま食堂」と「ひらた理容店」の二つの建物はロケ当時のまま残されています。
こちら二つも中には入れません。
そして何より目立つのがこちら!!
映画でキハ12形として登場したキハ40 764のカットモデルです。
キハ12形に見えるように前照灯などさまざまな改造が施されています。
話は逸れますが映画の冒頭でD51も出てきます。
実はそのD51は今も現役でJR東日本の高崎地区で走っているD51 498号機です。
時刻表は全て代行バスのものです。
幾寅駅を代行バスで訪れるとなると、
①東鹿越→8:17幾寅8:58→東鹿越
②新得→11:48幾寅12:13→新得
③富良野→11:58幾寅12:13→新得
④新得→14:57幾寅15:21→新得
⑤新得→17:19幾寅17:45→新得
⑥新得→19:37幾寅20:03→新得
の6つしかありませんね。
もちろん滞在時間を長くして1本後を待つ選択肢もありますが、冷暖房設備はないところで数時間待たねばなりません。
熊が出たという張り紙もあったのであまりオススメはできません。
観光資料作成のために来駅者の来駅日・居住地・人数を記入するスペースがあったのですが、ほぼ毎日5人ほどが訪れていました。
道内の方もそうですが、遠方からはるばる訪れる人も多かったです。
5人くらいというのは少ない感じもしますが、列車が来ず代行バスだけの現状を考えるとまだマシなのかなという感じもします。
「鉄道員」はJR北海道の歴史や経営状況を知るうえでとてもわかりやすく参考になる作品です。
ぜひ一度、映画でも小説でもいいのでこの作品に触れてみてください。
そして幌舞駅にも足を運んではいかがでしょうか?
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