熟練コスメ職人トミーです。
25年以上、スキンケアコスメの商品開発をやってます。
数々のスキンケアコスメを世に送り出してきました。
また、お肌の悩みやスキンケアに関する相談、コスメ(化粧品)業界に就職・転職を考えている方のご相談にも応じています。
今回のテーマは、「メイク落としの役割」についてです。
ファンデーションやマスカラ、口紅などメイクをされている女性の方は、自宅でメイクを落とすときに「メイク落とし」をお使いの方が多いかと思います。
今となってはさまざまなタイプのメイク落としがありますが、1980年代以前は化粧台(洗面化粧台の歴史 | TOTOハイリビング株式会社)の前で「コールドクリーム」と呼ばれていた、固めのクリームを顔に塗り、メイクを浮かせてコットン等でふき取って落としていました。
クリームがメイク落としとして使われていたのは、油分を多く含んだW/Oタイプのエマルション(ブログ記事:化粧水と乳液の違いって?で詳しく紹介しています)になっているため、メイク成分が油分となじみがよいことから、石鹸で何度も洗顔するよりメイクが落としやすかったからです。
その後、汗で崩れにくいファンデーションや色落ちしない口紅、油性マスカラなどの登場で崩れない・持続するメイクアップが世の中でもてはやされ、
通常の洗顔料ではますますメイクが落ちにくくなっていく中で、洗顔料を使う前にメイク落としでしっかりメイクを落とす、ダブル洗顔が主流になりました。
またシャワー設備の普及など入浴環境が改善し、お風呂場で濡れた肌にも使えるジェルタイプやオイルタイプのメイク落とし、
洗い場がない場所でも手軽にメイクを落とせる、コットンに液を浸みこませたシートタイプなど、さまざまなタイプの商品が販売されました。
最近では、肌への負担を考えてゴシゴシ肌を擦らずに撫でるように使うだけでやさしく落とせるメイクが落とせる商品も登場しています。
ちなみに通常の洗顔料だとメイクが落ちにくいのは、メイク品に使用されている成分による影響が大きいためです。
メイク品には主に顔料と呼ばれる着色した粉状のミネラル成分や油分が主成分で、崩れにくいタイプの商品には皮膜剤と呼ばれるものも含まれており、これらは洗顔料に主に含まれる界面活性剤と呼ばれる洗浄剤では完全に落としきれません。
なので、メイク成分を効果的に肌から落とすため、メイク落としには油分と混ざりやすい溶剤が多く配合されています。
メイク落としの成分の詳細や選び方に関しては、またの機会にご紹介したいと思います。
最後まで読んで頂き、ありがとうございました!
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