熟練コスメ職人トミー赤薔薇です。

 

 

25年以上、スキンケアコスメの商品開発をやってます。

 

 

数々のスキンケアコスメを世に送り出してきました。

 

 

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今回のテーマは、「化粧水の役割」についてお話したいと思います。

 

 

日本では、化粧水は江戸時代から使われていて「美人水」という名前で呼ばれていました。

 

 

明治時代の1897年には、日本発の民間洋風調剤薬局として創業した資生堂が「オイデルミン」という名前の化粧水を発売しています。

 

 

実は発売から130年近く経った今でも「オイデルミン エッセンスローション」として販売されていて、超ロングセラー商品となっています。

 

 

化粧水は洗顔後のスキンケアで最初に使うフェイスケアコスメとしてすっかり定着しています。

 

 

その主な役割は「肌にうるおいを与え、角層を保湿すること」です。

 

 

肌の最表層にある角層は通常、20-30%の水分量を含んでいて、適度なうるおいを保っています。

 

 

ところが、乾燥している環境下や角層の保湿機能が低下しているとその水分量が低下してしまうのです。

 

 

角層の水分量が低下すると、肌がカサついたり、キメが乱れたり、小ジワの原因になったりします。

 

 

角層の厚みは平均で0.02ミリ程度とサランラップくらいの厚みしかなく、顔の肌(特に目周り)は他の部位と比較して角層が薄めですので乾燥しやすいです。

 

 

特に目元は乾燥による小ジワが出来やすい部分ですよね。

 

 

また、洗顔料やボディソープなどの洗浄剤を使って頻繁に肌を洗うと肌は乾燥しやすくなります。

 

 

洗浄剤は、汚れとともに保湿機能を担っている角層中の天然保湿因子(NMF:Natural Moisturing Factorの略)も洗い流してしまうからです。

 

 

ですので、洗った後にスキンケアをせず放置しておくと、洗う前の状態よりも肌が乾燥してしまいます。

 

 

天然保湿因子であるNMFは、主に角層中のタンパク質(フィラグリン)が分解して生成したアミノ酸やピロリドンカルボン酸などの成分から構成されています。

 

 

NMF成分は水に溶けやすく、水を抱え込みやすい性質があるので、角層中に存在することで水分の蒸発を防ぎ、肌を乾燥から守る働きをしてくれています。

 

 

そのため、化粧水にはNMF成分やそれと似た働きのある水溶性の保湿成分が配合されていて、肌にうるおいを与え、乾燥から肌を守るように設計されているのです。

 

 

肌への保湿効果を高めるためには、化粧水に多くの保湿成分を配合すればいいのでは?と思うかもしれません。

 

 

でも保湿成分をたくさん配合すると、通常はヌルついたり、ベタついたりして使い心地が悪くなってしまうのです。

 

 

化粧水に配合されている保湿成分の中で最も広く使われているのは、グリセリンという成分です。

 

 

グリセリンは動植物の油脂から加水分解という化学的な方法によって作られていますが、お肌の皮脂からも皮膚の常在菌によって分解されて作られています。

 

 

なので、グリセリンもNMFと同様に肌自体から生み出されている天然の保湿成分のひとつと言えます。

 

 

ただ、グリセリンは水飴やハチミツのようなドロっとした粘りのある物質なので、化粧水に多く配合すると肌がベタベタして使用感がよくありません。

 

 

グリセリン以外に使用感のよい保湿成分が続々と開発されてはいますが、これまでの経験からグリセリンは最もコスパに優れた保湿成分だと思っています。

 

 

グリセリンを上手く使いこなし、肌にしっかりうるおいを与え、べたつきのない使い心地のよい化粧水を設計するためにはノウハウが必要です。

 

 

そのノウハウについては、また機会があるときにご紹介したいと思います。

 

 

最後まで読んで頂き、ありがとうございました!

 

 

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