どうやって家に帰ったのか覚えていませんが、多分彼から言われた事を母に話したと思います。
その日のうちに両親が出向き彼と話しあったようでした。
その後私も彼と何度も話をしましたが彼の気持ちは変わらず、、
色々な人達を巻き込み、産婦人科の先生や助産師さん、看護師さん達が彼を説得しようと妊婦健診の時に彼に赤ちゃんのエコー画像を見せたりしながら説得を試みて下さったり。
16歳の私と赤ちゃんを守る為に沢山の方達が尽力して下さいました。
この時初めて人の気持ちは簡単に変わってしまうという事を知りました。
その後、結婚式もキャンセルになり、お腹の赤ちゃんをどうするのか彼と話し合う事になりました。
2人でファミレスに行き、私は産みたいと伝えました。
彼からの言葉は、、
「子供ダメにしてさ、そしたらまたたまに遊べばいいじゃん。」
意味がわかりませでした。
嫌いになった訳じゃない。でも結婚はできない。
目の前にいる彼が初めて会った人のような私の知っている彼ではなくなっていました。
両親も結婚できないなら子供は諦めろと、私の気持ちや私の事は置き去りのまま彼と両親の中でどんどん話が進んでいきました。
元々父とは折り合いが悪かった事もあり、私の気持ちを聞いてくれる事も、聞いてもらえる事もなく、中絶ができるギリギリの状況だったので中絶の承諾書も父と彼とでサインをし、未成年の私はただただ無力でした。
中絶日も決まり入院になり、手術の為の前処置を受けました。
結婚が破談になった時に私の為に尽力して下さった先生や助産師さんや看護師さん達から翌日の手術の説明を受け、ただ泣いてるだけの私に何も言わず寄り添って下さいました。
子宮口を広げる処置をしていた為痛みが酷く、痛み止めを飲んでも痛みは治らずほぼ眠れないまま翌日を迎えました。
手術に向けて朝から浣腸の処置を受けたりしてる時に母が病院へ来ました。
無言の母に見送られ分娩室に入り分娩台に上がりました。
涙しか出て来ず先生の言葉も全く頭に入ってはきませんでしたが、この後の流れをもう一度説明して下さったんだと思います。
「これから促進剤を打っていくからね。」
先生のこの言葉のあと助産師さんが私に問いかけました。
「自分の気持ちを言いなさい。自分の本当の気持ちをちゃんと言いなさい。」
泣いているだけの私に更に助産師さんが言いました。
「未成年だろうが何だろうがお腹の赤ちゃんの母親はあなた一人。だから本当の気持ちを言っていいんだよ。あなたの本当の気持ちは?」
その言葉に
「産みたいです。」
泣きながらそう言いました。
よく言ったと私の頭を撫でながら
「先生、今すぐ処置やめて。」
助産師さんのこの言葉に先生も慌てて前日の処置をすぐに外して下さりストレッチャーに乗せられたまま分娩室を後にしました。
→続く。