入籍(2月)後、ほどなく、秋には結婚式挙げたいね、と式場探しをしていた。
私の親戚から早くも祝儀をいただいた。
私の両親からも、式の準備や新生活に50万もの祝儀をもらった。

すごく嬉しくて、幸せで、大切なご祝儀。

すぐに預金通帳に入れるべきだったが、
私の通帳に入れると生活費と混ざってしまいそうで、
しばらくはそのまま、お気に入りのクッキー缶に入れて、部屋に置いておいた。

それが馬鹿だった。

数カ月たち、うっかりそのまにしてあるので、ようやく通帳に入れようかと中身を確認したら、35万円ほど足りなかった。

泥棒かと思ったが、泥棒なら全額盗っていくはず。

その時はまさか夫がパチンコをしているだなんて、夢にも思わなかった。

大金がないので、びっくりして、仕事中の夫に電話をした。

パニックで自分の親にも電話をした。

ようやく深夜になり夫が帰宅し、
白状した。

「パチンコに使った」

何を言っても、下ばかり見て、黙って、
まるで小学生の子どもが親に怒られているときみたいだった。

すぐさま義両親にも電話。

その日は朝までずっと話し合いだった。

翌日、私は親友の結婚式があったのだが、あまりのショックと結婚式どころではない状況なので、当日キャンセルをした。

私には親友が1人しかいない。
親友の結婚式本当に行けなくて悲しかった。
親友にも嫌な思いをさせてしまった。


それから1ヶ月か2ヶ月のうちに、義両親が35万円持って、うちの両親に謝罪しにきた。

まさか、それが始まりだとは知らなかった。

金のたてかえは共依存に他ならぬことを当時の私はしらなかった。

大金をパチンコなんかに使う意味が本気で分からなくて、全く理解できなく、異常には思ったものの、

自分の夫がギャンブル依存症だとは思いもしなかったのだから。

夫は、もう二度としない。パチンコには行かない。と固く誓った。

夫は転職をして、今より給料の良いところで働いて、遣い込んだ分を償うと言った。

秋頃の結婚式を考えていたのは当面延期となった。

転職は失敗に終わり、数カ月たつ頃には夫は転職活動をしなくなった。