【質問の要旨】
議席番号21番市民未来の会 谷上のぼるです
通告のとおり一般質問いたします
今回は資源ごみ持ち去り禁止条例の制定について質問させていただきます
私が住んでいます鶴山台連合自治会の前回の定例理事会において
資源ごみ持ち去りが議題にあがりました
資源ゴミである空き缶を契約業者が回収する前に、それ以外のトラックで持ち去られてしまうという内容であり、中には府外ナンバーや外国人も確認されているとの事でありました
その他の自治会長からも持ち去られている認識はあるとの意見がだされ、集団回収で収入を得ている子ども会等の団体は、持ち去りにより活動資金が減っていることについて問題提議されました
その他の自治会においても、資源ごみを分別していた袋の中から、高額で買取られるアルミ缶だけを抜き取る際の騒音や、袋を破きごみが散乱
住民がその散乱したごみを、新たなごみ袋に入れ替えなければならない状態で、大変困っているとの事であります
私の自治会は一戸建が多く、今まで話を聞いた事は無かったのですが
各班の班長さんに聞きますと、やはり契約業者が来る前に持ち去られている事を確認している方がほとんどでした
ただ、一戸建ては注意すると揉め事になった際、逆恨み等が怖い事と
資源ゴミが無くなるのは同じなので問題視してこなかったということであります
この件について、よく似た居住環境である光明台でも問題になっているところで
私の所属する市民未来の会、大浦議員もこの問題につき、先行して条例化をしている団体へ独自調査を経て令和3年第3回定例会に一般質問しています
この問題は全国的な事で、直近では環境省が令和4年度にこの問題について調査を行ったと聞いています
全国の詳しい状況とそれを受けたうえで、和泉市の考えをお聞きするため質問をさせていただきます
【質問①】
一般廃棄物のリサイクルの推進は
住民の理解と協力が不可欠でありますが
そのような中で、現在、市町村が分別する
空き缶、古紙類などの再生利用が可能な
「資源ごみ」が先ほども申し上げたとおり
集積場所から持ち去られる事案が発生しています
こうした資源ごみの持ち去りによって
市民の皆様の
分別意識の低下や、騒音・ごみの散乱による生活環境の悪化も引き起こされています
まず最初の質問として、現在和泉市において
資源ごみの回収につき、どのような手法で行われているのかをお聞ききします
【答弁①】
資源ごみにつきましては
市が委託した業者が収集運搬を行う「行政回収」
と町会・自治会・子ども会等が行う「集団回収」
の2通りがございます。
まず、行政回収については
「缶」・「ビン」・「ペットボトル」は、泉北クリーンセンターへ搬入し、泉北環境整備施設組合において、リサイクル業者に引き渡されます。
また、古紙類は、泉北クリーンセンターへ搬入せず
市が独自にリサイクル業者を選定し※和泉市は入札
このリサイクル業者へ直接搬入し、市が売却しております。
※高石市は行政回収していない。可燃ごみに混在
次に、集団回収については
各団体によって収集する資源ごみはまちまちで
「アルミ缶やスチール缶」・「古紙類」、「ペットボトル」、「金属類」を各団体で取り決め
各団体とリサイクル業者との間において契約を締結し、引き渡しが行われております。
なお、本市のごみ収集方式については
戸別収集とステーション収集で行っておりますが
資源ごみにつきましても
行政回収、集団回収のどちらも
戸別収集または、団体が指定する収集場所で収集しております。
【質問②】
資源ごみの回収方法として
「行政回収」と「集団回収」があり
その内容も確認できました
では自治会・子ども会等が行う「集団回収」について
リサイクル業者と契約し
その売却収入と和泉市が行う
「集団回収活動に対する奨励金交付制度」により入ったお金を
活動費にあてている団体があると聞いていますが
その内容についてお聞きいたします
【答弁②】
まず、集団回収について
町会・自治会等における古紙類や金属類いわゆる有価物の売却収入につきましては
各団体と有価物引き取り業者とが
独自に契約を締結されており、市では把握しておりません。
次に、「再資源化事業推進奨励金」については
ごみ減量化や、資源再生利用、環境美化及び地域コミュニティの育成を推進し、廃棄物行政に対する市民意識の向上を図ることを目的に
町会・自治会等の和泉市内で活動する任意の団体又はその他市長が適当と認めた団体に対しまして
回収した有価物1㎏当たり、6円の奨励金を交付しています。
奨励金の対象となるのは
1新聞、2雑誌・書籍類、3ダンボール、4飲料用紙パック、5その他紙類、6古繊維で
市に登録している有価物回収業者に引き渡し、又は再生工場へ直接搬入して頂きますと
その回収量に応じて奨励金を交付しています
実績ですが
令和2年度は、255団体 総量4,192t
奨励金の総額は、25,129,900円
令和3年度は、255団体 総量3,971t
奨励金の総額は、23,807,700円
令和4年度は、248団体 総量3,661t
奨励金の総額は、21,945,900円
となっています
【質問③】
和泉市で約250の団体が
回収した有価物1㎏当たり、6円の奨励金
それに加え独自に契約している回収業者からも売却収入が入ってくるということが確認できました
私たちの地元自治会からは、冒頭お伝えしたとおり
資源ごみを持ち去る際のごみのまき散らしや騒音
資源ごみの売り払い額の減少
などの苦情をお聞きしています
このような事案について
「資源ゴミの持ち去り禁止条例を制定」して
被害の防止に努めている自治体もあるとお聞きしています
そこで、全国や大阪府内の自治体の資源ごみ持ち去り状況や
禁止条例の制定及びその目的についてお聞きします
【答弁③】
令和4年度、環境省が全国1741市区町村に対して行った
「令和4年度資源ごみの持ち去りに関する調査報告書」では
58.1%にあたる729団体で、資源ごみの持ち去り事案が認知されています。
大阪府において
43市町村中93%にあたる40団体で持ち去り事案を
認知しており、都道府県内の市町村における認知件数の割合は
全国トップとなっています
持ち去り事案を認知する方法としては
「市民からの通報」が一番多く
次いで「パトロールによる把握」
「委託業者からの相談」の順になっています。
また、持ち去られる廃棄物の種類では
「空き缶(46.9%)」
が一番多く
次いで
「古紙(34.6%)」
「金属類(31.7%)」
「繊維類(9.5%)」
「空き瓶(8.6%)」
「ペットボトル(6.4%)」
の順となっています。
次に、資源ごみ持ち去りの事案に対応することを目的とした条例等の制定状況ですが
全国1741市町村のうち
条例制定済みの市町村は411団体で制定率は23.6%となっています。
なお、大阪府内で資源ごみの持ち去りに関連する条例を制定
しているのは、43市町村のうち17団体で、条例制定率は約39.5%となっています
(大阪市、豊中市、吹田市、泉大津市、高槻市、貝塚市、枚方市、茨木市、八尾市、寝屋川市、河内長野市、箕面市、門真市、泉南市、交野市、阪南市、岬町)
最後に、条例を制定する目的としましては
持ち去りを放置することで分別やリサイクルに対する市民意識の低下を招く
とともに
市民とともに共同推進してきた分別収集制度に対する信頼を阻害する
ことに繋がる恐れや
排出された廃棄物の適正処理などが
条例制定の背景になっていると考えております。
【質問④】
環境省が行った調査報告において
大阪府は持ち去りに対する認知度は
全国でトップでありますが
条例の制定状況は
埼玉県74.6%
東京都が64.5%
と関東が高く
大阪府の39.5%は全国で10位となっています
条例を制定する目的を確認いたしましたが
今回質問するにあたり、現在に至るまでの資源ゴミリサイクルに関する市の歴史を見ていきました
まさに行政と市民が一体となって進めてきたことがわかります
今お答えいただいた条例制定の目的をもう一度確認しますと
持ち去りを放置することで分別やリサイクルに対する市民意識の低下を招くとともに
市民とともに共同推進してきた分別収集制度に対する信頼を阻害することに繋がる恐れや
排出された廃棄物の適正処理などが条例制定の背景になっているということであり
市民と行政が現在の形を作ってきた和泉市においても
同じ内容の問題があると考えられます
それでは令和3年第3回市議会定例会
「大浦議員の一般質問」に対しての回答において
集団回収している団体や「和泉市ごみ減量等推進員」へアンケート調査を実施し、実態把握と分析を進めるとの答弁がありましたが
アンケート調査はいつ頃実施されたのでしょうか、またその内容についてお聞きいたします
【答弁④】
はじめに、集団回収を行っている253団体に対しましては
令和3年11月に「資源物等に関するアンケート調査」を実施いたしました。
結果、196団体(196団体/253団体(77.5%))から回答があり
そのうち資源ごみの持ち去りを認知している団体が
回答のあった196団体のうち68団体で約34.7%となっています
持ち去りを認知している団体の被害としましては
有価物の売払い量の減少や
持ち去る資源ごみの選別や抜き取りによる
ごみの散乱や騒音となっています。
また、回答のあった196団体の一部の団体ではありますが
資源ごみの持ち去り対策として
「保管庫での保管」や
「回収日の当日に排出する」
「持ち去り禁止の掲示物を張る」
などの工夫をされています
次に、和泉市ごみ減量等推進員205人へも令和3年11月に「同様のアンケートを実施」いたしました。
結果、150人から(150人/205人(73.2%))回答があり
回答のあった150人の内訳は、行政回収が61人(約41%)
集団回収が89人(約59%)で
持ち去りの認知数は、回答のあった150人中、74人で49.3%となっています。
持ち去りによる被害としましては
先ほどの集団回収にかかるアンケート結果と同様の回答がございました。
また、回答のあった推進員の一部ではありますが
資源ごみの持ち去り対策として
「鍵付き容器の利用」や
「回収日の朝に排出している」
「持ち去り禁止の掲示物を張る」
「防犯カメラの設置」
などの工夫をされております。
以上です。
【質問⑤】
資源ごみの持ち去りを認知している団体が訴える被害について確認することが出来ました
和泉市においても、やはり同じ問題でご苦労されているのであると感じます
それでは、和泉市として市民から資源ごみ持ち去りに対する相談があった場合の対応について、お聞ききします
【答弁⑤】
集団回収において資源ごみが持ち去られる事案において相談のあった団体へは、その収集・管理方法等をお伺いし
資源物の持ち去りを拒否する掲示物の徹底や
収集時間等を工夫することについてお話させていただいております。
この持ち去り拒否の掲示物については、市のホームページにて「持ち去り防止チラシ」をダウンロードできるようにしております。
次に、資源ごみを個人の敷地の中まで侵入し、持ち去りを行った場合には
個人地への不法侵入と個人の所有物の窃盗は
犯罪となり警察が取り締まることができますので
和泉警察にご相談いただくようご案内しています
また、道路上のごみステーションにて
資源ごみが何者かに荒らされ、散乱している場合は
市職員が現地確認を行い、ごみの回収を行っています
【質問⑥】
個人の敷地の中まで侵入し
持ち去りを行った場合には、不法侵入となり、また個人の所有物の窃盗は犯罪となるとの回答いただきました
それでは、なぜこのような問題が起こるのか
資源ごみに関する法的な取り扱いと
条例を制定している団体は
法律により解釈が微妙であるので補完するため
条例制定をしていることと思います
既に条例で禁止している団体の
「条例の構成」についてお聞きいたします
【答弁⑥】
資源ごみ持ち去り条例を制定している背景には
集団回収団体と回収業者が契約によって
古紙類や金属類を売買し、活動資金を得るという明確な目的のもとに行われているので
占有者の意思に反して不法に自分のものとして持ち去ることは
窃盗罪になりますが
一方で集団回収でなく
道路やごみステーションに出された資源物は
不要な廃棄物で財産的価値はあるかもしれませんが
捨てられ所有・占有を放棄したもので
誰のものでもない無主物であり
それを持ち去っても即座に窃盗罪に問うことは難しいとされています。
そこで、資源ごみ持ち去り禁止条例は
このような法律の隙間を埋めて
取り締まりや規制をしやすくするために制定されておりまして
条例の内容としては、大きくは2つのタイプがあります
第一のタイプは
集積所に排出された古紙等の所有権が行政にあることを明確にして
持ち去り行為が窃盗罪の構成要件を充足させるようにしたもの
第二のタイプは
行政が指定した者以外が集積所からの資源物の回収を禁止
するとしたものです
命令に違反した場合は
秩序罰としての過料を科すと規定している例が多くありますが
刑罰としての罰金を定めている例を設けている例もあります
【質問⑦】
道路やごみステーションに出された資源物は
捨てられ所有・占有を放棄したもので
誰のものでもない「無主物」となり
「民法239条第1項」には
所有者のない動産は所有の意思を持って占有することによって
その所有権を取得する とありますので
法律において資源ごみの持ち去りを規制することは難しく
資源ごみ持ち去り禁止条例は
このような法律の隙間を埋めて
取り締まりや規制をしやすくするために制定されていることが確認できました
それでは、これで最後の質問になります
資源ごみ持ち去り禁止条例の制定についての
和泉市の考え方をお聞きします
【答弁⑦】
「資源ごみの持ち去り禁止条例の制定」については
平成21年度に和泉市ごみ減量等推進審議会においてご議論いただいた経緯がございます
その際、委員の皆さまからは
「条例を制定することで排出した資源ごみの所有権をはっきりさせることができる」とのご意見や
「資源ごみは町会・自治会の所有物だということを表示することで所有権を示すことができる」とのご意見
また、「条例を作ってまで行う必要性や効果があるのか?」や
「資源物の収集を生活の糧にしているところでは福祉的観点で見守っていくべきではないか?」など様々なご意見があり
最終的に審議会としては
「現状のままでいいのではないか、持ち去り事案については個々に対応していけばよい」とのご意見で集約され
現在に至っております
冒頭の令和4年度に環境省が行った調査報告書には
条例制定済みの自治体における、条例施行後の課題として最も多いのが
「違反者の特定(53%)」、次いで、「警察等関係機関との連携(34.3%)」、「違反者への指導方法(33.1%)」、「抑止力としての実効性が低い(28%)」などとなっています。
また、条例制定済みの411市区町村における措置の適用件数の割合では、
措置件数43,046件のうち、助言・指導・調査にあたるものが「41,254件(95.8%)」、次いで、勧告や命令が「997件(2.3%)」、
罰金・過料・告発・検挙が「230件(0.6%)」などで、そのほとんどが、助言・指導・調査となっており、持ち去りの抑止のためには、条例制定のみならず、その実効性を高めるためのパトロール等の重要性、資源ごみの持ち去り根絶の難しさがうかがえます。
今後につきましては
本件についてご議論いただいた審議会から14年を経過し、その後の社会情勢の変化や全国各自治体における取組も進んでおりますので
集団回収団体や和泉市ごみ減量等推進員へのアンケート調査を継続し
本市における被害状況等を把握してまいります
平成21年の和泉市ごみ減量等推進審議会で検討した当時
府内で条例制定している自治体は8団体でしたが
現在17団体となっており、これら条例設置の効果も検証しながら、条例制定もひとつの方策として検討するとともに、効果的な資源ごみの持ち去り対策について、調査・研究を進めてまいりたいと考えております。
以上です。
【意見】
先行して条例を制定しその取組につき
テレビで放送されていました
吹田市にお話しをお聞きしますと
吹田市では
資源ゴミの回収日にあわせ朝パトロールを実施していることに加え
定期で「資源物の持ち去り禁止合同パトロール」として
警察とも連携してパトロールを実施しています
条例とパトロール、セットで実施することにより効果が出たということであります
平成21年度に和泉市ごみ減量等推進審議会において
この問題につき、審議されてから14年が経過し
その後の社会情勢の変化にともない
府内において条例を制定した自治体は
審議された当時から比べ2倍以上となっています
先ほどの回答のなかで
「条例設置の効果も検証しながら
条例制定もひとつの方策」として
検討するとともに
効果的な資源ごみの持ち去り対策について
調査・研究を進めてまいりたいという
和泉市としての考えを示していただきました
困っている市民に対し
問題解決に向け
今回前向きな回答をいただきましたので
大いに期待いたしまして
私の一般質問を終えます
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