みんなの党青年局の被災地支援活動であるACTION11に参加いたしました。
今回視察したのは、岩手県の釜石市と大槌町です。


岩手県の釜石市では、小白浜・花露辺(けろべ)という
地区の防潮堤に関して視察したました。
小白浜では、防潮堤が破壊された現場、
かさ上げされた漁港、防潮堤の外に建設されたトンネルを見ました。


2006
年建築の新しいトンネルですが、
建設当時から地元住民から疑問の声が上がっていたとのことです。
案の定、行き場を失った津波がトンネルに集中し、トンネルの中を通って、
別の地区に被害をもたらしたという状況もご説明頂きました。
建築当時の説明では、トンネルの入り口と出口で2.5m
勾配があるから大丈夫という説明があったそうです。


花露辺地区は、自治会の総意で防潮堤建設を断ったという地域です。
68世帯という比較的小さな集落ということもあり、
避難生活の最中にも、何度も意見交換を行う中で、
意見の合意形成を図れたということです。
また、何が何でも防潮堤に反対という訳ではなく、
生業である漁業を活かした街づくりを考えた結果、
防潮堤は必要ないとの結論に至ったそうです。
代替案として、防潮堤ではなく、避難路の整備ということで、
町と交渉したそうです。


大槌町では、地域住民の方々と意見交換をさせて頂きました。
花露辺地区とは真逆の事例で、
住民合意がきちんとなされたのか町民に疑問が残ったまま、
町が防潮堤建設に突っ走っているということです。
2011年の1012月に、10地区に分けて住民説明会が行われたとのことですが、
参加人数が20名ほどであったことや、
震災からまだ間もなく、津波の恐怖から安全面のみに執着し、
住みたい町という展望に欠けていたと言います。
また、行政からの説明では、防潮堤の高さに合わせた浸水想定区域が殊更に強調され、
予算額や工事期間、耐用年数などの説明もなかったといいます。
更に、地盤が非常に弱い地域で、地震の影響による液状化によって、
津波が来る前に防潮堤がすでに崩れてしまい、
防潮堤としての機能を失ってしまっていたようです。
更に土を盛ることで地盤を強くするといった説明がされたそうですが、
そのような地域で再度防潮堤を作ることに疑問があり、お金の無駄、
といった意見もありました。

他にも、多くの問題点をお伺いしました。
改めて感じたのは、本当の意味での住民合意の必要性です。
震災復興にかかわらず、東松山市の区画整理事業でも同じことが言えますが、
住民がよく理解していないまま、行政主導で進められてしまうといったことがあります。
後になって、計画変更や廃止は非常に難しくなります。
その前に、議員がまず計画をしっかり審議し、
住民に丁寧に説明することも大切であると、痛感いたしました。
今後の議員活動に活かしたいと思います。