以前、矢野絢子さんと出逢った時に
「初めて彼女の曲を耳にした時
まさかお話ができる日がくるとは!」
と感動したことを書いたと思う。
2004年に曲を聴き、
2007年にお話させていただく。
同じような経験が今再びの下北で。
2000年、「フードファイト」というドラマで
初めて平田裕香さんを目にして、
その後、ドラマや週刊誌の表紙で
彼女を見つけるたびに
動いていた足をとめたものだ。
その平田さんが下北で友達と共演している。
連絡すると、
「紹介してあげるよ」
浮き立つ心を静め
観劇する。
劇場は「下北沢offoffシアター」
何度か舞台に立たせてもらったが
こじんまりとした空間。
役者の息づかいまで伝わる。
女性だけの芝居。
女性ならではの葛藤。
女性が感じる苦悩。
さまざまな立場の女性が
想いを投げかける・ぶつかる・かみしめる。
そんなお話だった。
友達は長崎出身だが
関西のおばちゃん役を見事に
楽しくやりきっていた。
そして平田さんとの二人芝居のシーンも。
羨ましい!
終演後、友達を待っていると
先に平田さんが出てきた。
僕の横でファンの方とお話されている。
あの平田さんが
僕のパーソナルスペースに入っている。
まるでエレベーターの中にいるかのごとく固まる僕。
そこへ
「前田君!?」
声のほうへ顔を向けるが覚えがない。
「あたし、梁島!」
なんと6年前に共演させてもらった方が
偶然同じお芝居を見に来ていた。
「あたしも知り合いが
出演していたから見に来たの」
以前よりも頬がシャープになり
スレンダーになった印象。
何よりも目に強さを感じた。
それもそのはず、
彼女は結婚して
主婦になり、母になった。
6年振りの再会で僕は楽しくなり
会話も弾む。
そこへこれまた6年振りの
友達が控室から出てきた。
三人で一盛り上がりの会話があり、
梁島さんとさよならをした。
ちょうど平田さんも
お客さんとの挨拶が一段落し、
友達から紹介してもらう。
友達が緩い感じなので
さっきの固まっていた自分が嘘のように、
そして
人見知りの自分が嘘のように、
自然に平田さんとお話をさせていただいた。
「ほらほらもう二度と会うことは無いから
いっぱい喋っときな。
あたしはまたお茶したりするけどさ」
「おい、誘ってよ!」
「なおきはここだけやけど」
「なんでやねん!」
初対面の男を前に
ほほ笑む平田さん。
写真を一緒に撮るとか
握手をしてもらうとか
サインをもらうとか
そういうのはしなかったけど、
楽しい時間を過ごさせてもらった。
ありがとう、万季ちゃん!
千秋楽まで楽しんでくれ!