恐怖!雨の日の玄関 | 浅見直輝の たびびとなおさん どこへゆく

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会議で遅くなり、

雨がますます酷くなり、

近所に住んでいる先輩の先生が

車で送って下さった。


その車内で、

やはり話題は「ゲロゲロ」になった。


うちの町内は田んぼが多いので、

ただでさえ、この時期は合唱がすごいのに、

雨がふると出てくることも

しょっちゅうあるらしい。

「もう、自転車で夜に通れないですよ~」

と言うと、

「うちの人なんか、大きいやつを車で

ひきづって帰ってきたことあるわ」

と、先輩はあるある話かのようにさらっと言う。

もう話を聞くだけでもダメなので

「やめましょう!爽やかな話をしましょう!」

と、無理矢理別の話題に持っていく。


「なんで~、かわいいやん」


なぜ、僕の周りにはヤツを好きな人が

多いのだろうか?


謎は深まるばかり。



そんなこんなで、家の前まで送ってもらい、

お礼を言い、玄関へ向かう。

最近暗くて、

鍵を開けるのが困難だったので、

外の電気をつけっぱなしにしていた。

地面が煌々と光を浴びているそこに、

まるで僕の帰りを待っていたかのように、

ヤツはこちらを向いていた。

茶色でブツブツなヤツは

僕の最高に苦手な種類で、

思わず、

「あーーー!」

と叫んでしまった。

いや、違う。

叫び続けずにはいられないほどの

パニックになり、

その場を逃げ出そうか迷った。

しかし、雨がひどいので、

勇気と声を振り絞り

鍵を開け、

瞬時に中に入った。



夜中に近所迷惑だったかもしれないが、

どんな苦情が来ても、

「あれはあきません」
としか言いようがない。


明日の朝もいたらどうしようか?

雨の日は休もうか。

「すみません、ヤツが出てくるので、

有給とらせてください」



うん、

しばかれるな。