今回も、新型コロナに関係することちょっと書いてます。でも、私は医療関係者でも何でもない一素人ですので、記事はそのつもりで読んでください。新型コロナに関する専門の方の意見やそれに関連するリンク等についてはこちらを読まれると良いと思います。

 

最近は、エビデンスベースという言葉が良くでてきます。教育分野でもそうです。エビデンスがあるというのは、ひらたくいえば、客観的データに基づいて立証されていることをさすようです。

教育分野では、中室先生の本が一時期かなり話題になっていました。いまはマンガ化されていますね。

 

 

エビデンスを重視しすぎて"支持するエビデンスが無い"イコール"効果がない"と考える人もいますが、当たり前ですが、これは誤りです。

医療も教育も非常に複雑な現象を取り扱うため、明確なエビデンスを集めるのは困難または非常にコストがかかります。なので、よほど社会的に重要なものでない限り、精密なエビデンスは無いのが普通でしょう。

受験に関していえば、低学年通塾や先取りなんかの効果は、エビデンスは当然ないでしょう。だからといって、効果がないとは言い切れないです。

エビデンスらしいものがあった場合はどうでしょうか。科学的なデータ処理は統計学に基づくはずです。統計処理をすると、必ず統計的に有意かということが問題になります。この場合も、"統計的に有意でない"イコール"効果がない"というのは誤りです。言えることは、効果を積極的に支持するものではない程度です。効果を否定するものではありません。統計的有意の基準は非常に厳しく設定されるのが普通ですので。

 

受験に関連して、また一例あげますと、ともに定員300人の高校AとBがあるとします。ある年のA高校とB高校の東大合格者がそれぞれ20名と10名だったとします。この結果から、A高校の方が、東大受験に関して優れた体制を持っていると考えがちです。でも標準的な統計解析では、これくらいの差は有意とは言えません。このデータは、A高校が優れているということを支持するエビデンスとはなりえません。(詳細:両校の教育に差が無くても、この合格者結果より両者の差が大きくなる確率は10%近くある。一般に使用される統計的有意水準5%より高いため、差があるとはいいきれない。)でも、確証がないだけで、当たり前ですが、A高校の方が優れている可能性が高いです。

ちなみに上記の高校をサピックス校舎、東大合格者数を、例えば、開成の合格者数に置き換えれば、サピックス校舎間の合格実績とレベルについて同じことがいえます。

 

たしか2月ごろ、マスクが不足していたときに、TV上ではマスクの効果に関するエビデンスはないと何回も連呼されていた気がします。でも、最近はマスクの効果に対してポジティブな論調が増えてきた気がします。

個人的には、複数回使用した使い捨てマスクの効果に興味があります。きっと、エビデンスはないと思いますが。自分が潜在キャリアだった場合に人にうつさない効果は少なくともありそうな気します。

 

まとまりがつかなくなりましたが、エビデンスを過剰に重視するのは教育関係でも医療関係でもあまりよくないと思った次第です。

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