分析進めていくに従い、新たな疑問がわくので、大した話でもないのに3回に渡る記事となってしまいました。今回で最後です。

 

昨日書きましたように、ちまたで流布している東大生の平均IQ120は額面通りには受け取れないです(リンク)。でも実際にはどうか知りたいのでフェルミ推定してみました。

ポイントとなるのは、学力とIQがどれくらい相関するか。残念ながら日本の大学受験生に関する確かなデータはなさそうです。そこでかなり強引ですが、以下の2つのデータを手掛かりとします。

1. 日本の小学生のIQと学力の相関

2. アメリカのSAT(センタ試験のようなもの)とIQの相関

1の小学生のデータについては論文もあったのですが、聖徳学園小学校のページが見やすかったのでリンクします。データはページの下の方、知能教育の成果の項目にあります。これによれば相関は0.763です。論文等でも似た値でした。なので、小学6年生時点での学力とIQの相関は結構高いと見てよさそうです。横道にそれますが、聖徳学園のホームページを見ると、入学から卒業までのIQの伸びの中央値は30近くですね。これを見る限り、IQは必ずしも生得的なものではなさそうです。訓練の効果もあるんでしょうが。

2のアメリカの論文(リンク)によるとSATとIQの関係は相関0.7~0.85くらい。但し、この論文のIQは知能テストそのものではなく米軍入隊試験のIQ関連項目から算出したもです。

1と2で大きな違いはないので、普遍性あるとして、0.75をIQと学力の相関値として採用しました。フェルミ推定なので、細かいことにはこだわってもしょうがないですし。

 

東大生は学力偏差値75(上位約0.6%、学年順位約6000番)以上とします。これは駿台とかの偏差値ではなく、同学年のすべての人を母集団とする仮想的な偏差値です。この前提で計算すると、偏差値75以上の学力も持つ人のIQ分布は以下のグラフになりました。

 

 

平均を取ると130ですね。粗っぽいですが、東大生の平均IQは130と推定されます。ただ、分布の幅は広いので、高IQの人ばかりではないです。ちなみに、IQと学力の相関を0.5とすると、平均値は120になり、世間で言われている値に近いものになります。

 

東大を例に上げましたが、実は中学受験においても同じような議論が成り立つと思います。首都圏の学年人口は約30万。一方、難関校の合計定員は2000人くらいです。この合計定員は、首都圏の学年人口の0.7%にあたります。前記の東大の前提は上位0.6%だったので、ほぼ同じ前提となります。まぁ、優秀でも中学受験しない子もいますので、必ずしも難関中学に入る子がその学年上位をすべて占有しているわけではありませんが。その点は無視すると東大を考えたのと同じロジックで、難関中学入学者の平均IQは130前後くらいではないでしょうか。当然ながら幅はありますので、みんながみんなこの値ではないですけど。

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