橘玲さんのベストセラーの続編です。昨日、読みました。
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もっと言ってはいけない (新潮新書)
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ちなみに、こちらは前著。
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言ってはいけない―残酷すぎる真実―(新潮新書)
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前著同様、知能、性格、犯罪性等が、遺伝子の影響を強く受ける(50%以上)こと(これが言ってはいけないこと)を、エビデンスを引用しながら紹介しています。前著に比べると民族、人種の観点に重きがおかれていますが、基本スタンスはかわりません。
いろいろ興味深い点ありますが、親として気になるのは、遺伝の影響が年齢を経るに従い大きくなるというところ。幼児期、児童期は知能の遺伝に対する影響は40%程度だが、年を経るにしたがい遺伝の影響が大きくなり最終的には70%を超えることになる。常識的には、年を経るに従い、いろいろな環境にさらされ、環境の影響が大きくなる気もしますが、実際には逆。このブログでも何度かふれたかもしれませんが、これは相当確かなエビデンスに支えられているらしいです。このことは、いいかえると、幼少の時にいくら親が頑張っても、最終的には、いわゆる地頭の良い子(本来の素質が年齢を重ねるに従い開花していく)にはかなわない、ここが、まさに子育て中の親にとっては、”いってはいけない....”かもしれません。
この本、センセーショナルな題名ですが、著者の筆力もあり、専門的な書物に比べるとはるかに読みやすいです。専門的な文献も豊富に引用しており、主張に疑問あれば原典をあたることも可能です。遺伝についてご興味あれば、読んでも損はないかと。主張の一旦は著者のブログでも垣間見ることができます(この本に関連する記事はごく一部です)。