今回は情熱の国スペインから
ぶどうは
暖かいところでは濃厚な味
涼しいところでは上品な味
になりやすいと言われます。
スペインはヨーロッパの中でも、暖かい気候なので情熱の国の名にふさわしい、
果実味が強く、力強い味わいのワインが多いです。
そんなスペインを象徴するような黒ぶどうが「テンプラニーリョ」
酸味は少なめ、深くて濃厚、情熱的な赤ワインを作ります。
樽香をつけることが多く、長期熟成にもむいています。
有名ワインはリオハやリベラ・デル・ドゥエロなど・・・
みんな知らないですよね。
みんなが聞いたことがある有名ワインからワインの世界を掘り下げる企画を根底からくつがえす荒業!
それでも、どうしても「テンプラニーリョ」の話からしたかったんです!
好きだから!!
で、本題の有名なものといえば
安価で本格的な味わいのスパークリングワイン【カバ
スペイン語で「CAVA]と書きます。
「カヴァ」とも表記されることが多いですが、
スペイン語の発音的には「カバ」が近く、スペイン大使館も「カバ」で統一したいと言っていると、小林文高先生がおっしゃっていました。
小林文高先生についてはこちらの記事を→今から間に合うソムリエ試験対策
たぶん、「カヴァ」の方がカッコイイからなくならないんでしょうねー(笑)
名前の話はここまでにして、中身のお話。
作り方は「瓶内二次発酵」。
フランスのシャンパーニュと同じ作り方なので「シャンパーニュ方式」ともいわれます。
きめ細かい泡ができるのが特徴です。
シャンパーニュとの違いは主にぶどう品種と熟成期間。
主なぶどう品種は「マカベオ」「チャレッロ」「パレリャーダ」 いずれもスペイン固有のぶどうです。
ただ使用可能品種はシャルドネやピノ・ノワールも含まれているので、
それらを使って、よりシャンパーニュ的なカバを作る生産者もいます。
ちなみにシャンパーニュは「シャルドネ」「ピノ・ノワール」「ムニエ」でしたね。覚えていますか?
熟成期間は最低9ヶ月(シャンパーニュは最低15ヶ月)
熟成期間が短い分、低コストで生産できます。
ただ、熟成期間をたっぷりとって、手間ひまかけて作ったシャンパーニュにも劣らない高級カバもあり、必ずしも安価というわけでもありません。
ヨーロッパのワインは地名がワイン名と言ってきましたが、カバは地名ではありません。
エリアは指定されていますが広域に認定されています。
原産地呼称統制名称「D.O」.となりますが、その話は長くなるので別の機会に。
最後にもうひとつ
【シェリー】
これは皆さん聞いたことあるでしょう?
でも飲んだことないって方、多いかもしれません。
香ばしい風味で、コクがあっておいしいですよ♪
シェリーは普通のワインではありません。
アンダルシア地方のヘレス周辺で作られる
酒精強化ワイン(フォーティファイドワイン)の1種です。
酒精強化ワインとは、
醸造の途中でアルコールを添加したワイン。アルコール度数は15~22度くらい。(一般的なワインは12~14度)
なんでそういう事をするかというと、昔は冷蔵設備がなかったので、輸出に耐えられるようにアルコール度数を高めることで保存性を高めていました。
副産物として独特のコクや香りがつきます。
認可されているぶどう品種は3種類
辛口はパロミノ (シェリー全体の95%を占める)
甘口はペドロ・ヒメネス、モスカテル
なので、Pedro Ximenez Moscatelと書いていれば極甘口
「ミディアム」「クリーム」という甘口タイプもあります。
先に甘口タイプの話をしたので、辛口の話をしますがその前に
産膜酵母(フロール)の話を少し。
産膜酵母とは、
ワインを樽で熟成させる際に、ワインを目一杯入れずに空気に触れさせて熟成させることでワインの表面にできる白い膜のこと。
主に、この産膜酵母がつくか、つかないか、途中で消えるか、などによって細かく種類が分かれます。
代表的な二つを紹介します。
〇フィノ
産膜酵母がついたタイプ
アルコール 15~19度
色は淡く、極めて辛口
魚介の揚げ物と相性が良い(ソムリエ協会の感想です)
〇オロロソ
産膜酵母がつかないタイプ
アルコール 17~22度
色は濃く、琥珀色、深みがあり芳醇、香ばしい、ブランデーっぽい
生ハムとの相性が良い(著者の感想です)
他にも、この二つの中間や、特別な場所で熟成した物などいろいろ。