花のパリのど真ん中、芸術の都パリの中心部、様々な文化施設が集中する世界の文化の中心地が、また、郊外のサッカー競技場も、テロのターゲットとなった。不葛生の施設で同時多発テロが起きた。パリの悲劇である。
まだ、錯綜する報道から断片的な数字と拾うと、死者が120人以上で、200人以上が負傷し、80人前後が重症のようだ。そして、行方不明者が210人を超すようだ。銃撃や爆発は6ケ所で起きたとも、7ヶ所で起きたとも報じられる。劇場では舞台に上がり、観客席に向かっての銃乱射があったともいう。
サッカー場「スタッド・ド・フランス」ではフランスとドイツの親善試合が行われていたという。その近くで自爆テロが起きた。オランド大統領やドイツのシュタインマイヤー外相が観戦していた。大統領もドイツ外相も無事だった。
そのオランド大統領はいち早く非常事態宣言を発令した。
そして、
「かつてないテロだ。攻撃はまだ続いている」
「われわれは結束し、断固として戦う」と表明した。
そして、
フランス政府はパリ周辺に1500人の兵士を新たに配置し、厳戒態勢を敷いた。
週刊新聞シャルル・エムドが襲撃されたテロ事件は記憶に新しい。近くのスーパも含め17人が犠牲になるテロだった。
テロに屈しない言論の国フランスは、国を挙げて風刺週刊新聞を守ったと言っても過言ではない。そんなフランス国民は言論自由の国の誇りを持っていると賞賛もした。言論自由を誇りにするフランスに再びテロの狂気が舞い降りたのだ。
バタクラン劇場では、アメリカのロック・グループのコンサートが行われていたという。押し入った武装集団は「アラー・アクバル(神は偉大なり)」とか、「シリアに介入する必要はなかった」などと唱えながら自動小銃を乱射したという。そして、人質をつって立て篭っていたが、治安部隊が突入しテロリスト4人(?)が射殺されたという。
劇場の観客70人以上が犠牲になったという。
テロリスト8人が射殺されたが、逃走したテロリストもいる可能性があるという。
パリの混乱は続くのだろう。
主なテロは、
「スタッド・ド・フランス」のサッカーの親善試合中の近くで起きた複数の自爆テロ。
パリ中心部の3カ所、カフェ「ベルエキップ」などの飲食店でも銃の乱射。
バタクラン劇場の米国のロックグループのコンサート中に自動小銃を乱射して押し入った。
「神は偉大なり」と叫びながら銃を乱射したとの情報を伝えている。また、オランド大統領を批判していたともいう。
報道はまだまだ錯綜している。
多くの犠牲者の出たパリの同時多発テロ事件は、これからどこの国でも起こる可能性がある。明日東京で起きても不思議ではないような気もする。当然西欧列強に対するイスラム過激派の攻撃理由が日本に当てはまるわけでもないし、距離的にも可能性は低いだろう。
でも、日本に対する攻撃理由はあるだろう。
西欧列強への入国より、日本への入国の方が容易であるという評論家の意見もあるし、また、最近は田舎や過疎地でさえ、イスラム系の人を見かけることも多くなり、テロリストの隠れ蓑も備わっているような気がする日本だ。
アメリカが日本のジャーナリスト殺害犯を空爆したと発表するなど、何らかの理由で、日本へのテロの理由が生まれるかも知れない。
アメリカもフランスもイギリスも、そしてロシアも、イスラム過激派への攻撃で、シリア問題解決を見出そうとしている。空爆への報復としてのテロが起き、テロリストに対する空爆が多くる。その報復のためのテロが起きる。そんな連鎖を断ち切る知恵は、現在のところない。
国際社会は、アメリカを中心にイギリス、フランスにロシアがそれぞれの国の国益だけを考えるご都合主義での解決策を模索するだけだ。それに、中国や日本が便乗するだけで、これといった解決策など見いだせないのが現実だ。
国連には何かを決定することはできない。アメリカとロシアが対立し、拒否権の乱発で、さらに中国が加われば何も決まらない。日本はアメリカに従うだけで、それ以外の国際社会での発言力はない。
せめて、無差別テロのない社会をと祈る。
罪なき人々が、ある日突然テロの犠牲になることは、無しにして欲しいと祈る。