広島市で開かれているG7外相会合出席の各国外相が平和記念公園を訪れ、原爆資料館を訪問し慰霊碑に献花した。核保有国の米英仏の現職外相の平和公園訪問は初めてだという。核保有国の中でも唯一の核使用国であるアメリカの外相には特別思いがあるだろう。その思いがどんなものであるかの忖度などしたくないが、被爆者にとっては、他の核保有国の外相と同じ目線ではみれないものがあるだろう。



 G7外相の平和記念公園訪問は岸田外相の求めで実現した。被爆地出身の外相の政治家の矜持にかけて核保有各国の外相を招いた事実を残すことは、政治家としての評価につながるのも事実だろう。政治家の矜持と政治家の野望が実現させたのだ。他の核保有国抜きでも、先進国が核軍縮・不拡散の意思を示すという。そして、「広島宣言」を発表する狙いだ。特別文書「広島宣言」はオバマ大統領のプラハ演説並みの評価になればと、期待もするが、でも、失望の方が大きいと予測する平和ボケの政治音痴である。


 原爆を投下国アメリカのケリー国務長官の訪問を再度考えるが、やはりほかの核保有国とは違う目線で見るしかない。ある意味絶対的加害者国であり、人類史上最悪の国家ともいえる。原爆投下に正当性などあるはずもないが、アメリカとしては国家の誇りにかけて、被爆国的な、悪魔の所業的な考えにはならないのだろう。でも、現職の国務大臣の訪問だけに、一応の評価も必要か。その後にオバマ大統領が訪問し、真摯に被爆者と向き合うことを願う。



岸田外相の意義を強調し「歴史的な日だ」と主張するのは当然だ。

ケリー国務長官が「広島訪問は特別な意味を持つ」というのも当然だ。


 「広島宣言」が楽しみだ。アメリカに遠慮するような宣言ならいらないと多くの国民は思うだろう。参議員選挙用の纏まり過ぎる文言など必要ない。核なき社会への一心不乱決意をたどたどしく述べてほしい。