突然降って湧いたように現れたような「パナマ文書」という、世界を揺るがすと表現してもいい本来なら表に出るはずのない秘密文書である。パナマの法律事務所から流出した秘密文書だから「パナマ文書」ある。


 流出の原因は分からないが、内部告発か、告発サイト・ウィキリークス的な働きによるものか、どこかの国の陰謀か、それとも国際的な組織によるものかと、考えるが、原因はすべてわかっているかも知れない。 


「パナマ文書」は、


タックスヘイブン(租税回避地)の会社の設立などを手がける中米パナマの法律事務所「モサック・フォンセカ」から流出した、1977年~2015年までの1150万点の電子メールや文書類だという。1150万てんである。一人二人ではとても調べることのできない量の文書だ。国際調査報道ジャーナリスト連合が発表したという。そして、日本でも一斉に報じられた。



さて、「パナマ文書」の中の世界の政治家は、


中国の最高指導部である共産党政治局常務委員7人中、習近平主席ら3人の親族。

ロシアのプーチン大統領。親友のチェリスト、セルゲイ・ロルドゥーギン氏。

イギリスのキャメロン首相。

アイスランドのグンロイグソン首相は夫婦だ。そして、グンロイグソン首相が辞任。

ウクライナのポロシェンコ大統領。

サウジアラビアのサルマン国王。

アゼルバイジャンのアリエフ大統領

 ・・・



そして、

映画界からジャッキー・チェン・・

サッカー界からはメッシ選手・・・


日本の企業も多いという。

あり余ったと表現してもいいような資金だから租税回避である。
要するに税金逃れのためである。
さて、世界がしばらくは揺れ動くか。



一方、



 「パナマ文書」などとは真逆な存在と言っても過言ではない「世界で一番貧しい大統領」と称されるウルグアイのホセ・ムヒカ元大統領が来日しているニュースだ。真逆、すなわち対極にあるニュースが、気になるところである。


7日の東京外国語大学で講演は、
「日本人は本当に幸せですか?」だ。

 ノーネクタイの元大統領を迎えるために、大学生たちがネクタイを外す姿が印象的だったし、素朴な元大統領の諭すような語り口の言葉も重々しさに学生たちも引き込まれているような印象であった。特別の言葉などなく、有り触れた言葉で語るが呟くような言葉はずっしりと重く学生たちを捉えた。

 そして、「パナマ文書」にも触れた。

 「自分の資本を増やすためだけにお金を使っている人がいる。ばかげた悲惨なことと、若い人たちは戦わねばならない」と。


 「日本では、若者の30%ぐらいしか投票にいかないと聞いた。不平ばかり言うのではなく、同じ気持ちを持つ人とまとまって何かをしなければならない。それが人生に意味を与えること」と。
 
 日本ではない類の講演だけに、学生たちの反応は特別のものがあったような気がした。貧しさと質素は違うとは思う。心の貧しさを否定し質素に暮らす豊かさを感じる講演とも言えそうだ。