FBIとアップルの戦いは、捜査当局のメンツとユーザーのプライバシーを守るメーカーの誇りがぶつかり合ったのは、カルフォルニア銃乱射事件の捜査に関する、FBIのロック解除要求を拒否したアップルの争いは、法廷闘争となったが、FBIの他の対策が功を称してロック解除ソフト開発成功によって終止符が打たれた格好である。




 FBIが勝ったのか、アップルが勝ったのかを判断することは出来ないとありきたりの結論など意味もないが、明らかにアップルのメーカーとしての誇りが勝利したと言っても過言ではない。ある意味国家の圧力でもあるFBIのテロ捜査のための協力要請を拒否してユーザーのプライバシーを守ったアップルだ。



 FBIがテロと断定して捜査を介したカルフォルニア銃乱射事件は福祉施設で2005年12月2日に起きた。昼前に突然銃乱射事件が発生した。14人が死亡し多数の負傷者が出た銃社会アメリカの悲劇とも言える事件だが、テロと断定されて別の悲劇性を持った事件となった。
 

 容疑者は射殺されたが、2011年には、テロを計画していたことを、FBIは把握していたと言う。



 さて、FBIは犯人の一人のアイホーンを押収した。しかし、アイホーンにはロックがかかっていた。FBIは法的手続きをして、アイホーンのロック解除の協力をアップルに求めた。繰り返すが、アップルは拒否した。



 アップルにとっては、FBIに協力すれば、信頼を失うことになる。協力を拒否すれば反国家的な烙印を押されることはなくても、何らかの国家からの圧力を受けることになる。テロの捜査だけに、FBIへの協力を当然であると判断されるが、協力はメーカーの信頼性に疑問符をつける。拒否すればアップルへの信頼感は増す。アップルにとっては企業イメージアップには引くに引けない。FBIには国家権力のメンツがあり、相手がテロリストだけに、どんな要求も認められると考えるし、多くの国民はテロへの恐怖から、FBIの要求は当然と判断し、声援を送る。そして、FBIは裁判に判断を仰いだ。当然勝利を十分に承知しての裁判である。そして、FBIのもくろみ通り裁判者の判断はFBIの求めた通りになるはずだったが、その判決が出る前に、FBIは独自の力でロック解除に成功したと言う。ロック解除ソフトが開発されたのだ。

 


 そのロック解除ソフトの開発に成功したのは日系企業だという。そんなことは関係ないが、アップルにとっては、嬉しいくあり、悲しくもなる解除ソフトの開発である。


 それでも、アップルの企業イメージは上がった。格段に上がっただろう。

 もし、日本のメーカならどうだろうかと、空に向かって問う。


 返事はないが、求める答えは、日本のメーカもそうであって欲しいと言うものだ。