さてさて、どこからそんな突拍子もないお笑い的な発想が生まれるのか。お笑いでも、笑えない発想といわれるかも知れない発想ともいえるが、こともあろうに滑稽ンの最高機関である国会議員の、しかも国会での発言だけに、何ともはや、日本の国会議員はついにそこまできたかの感じである。


 そこまでとは、日本国をアメリカの51番目の州として考えると言うのである。そんなことは提言ではないはずで、迷言というか、珍言というか、迷説というか珍説というか、いや狂説といった方がいいかも知れない。その迷言、迷説、珍言、珍説を意気揚々と語ったのは、国際弁護士の丸山和也議員だと言う。国際弁護士が語る、アメリカの51番目の州としての日本である。
 

 しかも、かっての奴隷制度と関連付けて、オバマ米大統領に対して、奴隷の血を引く黒人の大統領という。間違いではないが、黒人奴隷の地を引く大統領の誕生は、民主国家の旗手アメリカにとっては、誇りある選択であった。自由と平等の移民国家アメリカにとっても、大統領に黒人奴隷の血を引く大統領の誕生は、今だにのころ人種差別のどす黒い伝統が牙をむくかもしれない選択であった。アメリカ国民の選択は、奴隷制度の名残を完全に消したいという決意でもあっただろう。



 その黒人奴隷の血を引くオバマ大統領に対しての日本の国会議員のあるまじき発言は、多くの日本人を愕然とさせる。このところ続く安倍政権の閣僚の発言にうんざりする国民は、いい加減にしてほしいと怒りさえ感じるだろう。



報道から気になる文言を探ると、


まず、初めは、

「日本が51番目の州になることについて憲法上の問題はあるのか」からだとか。


「例えば日本が米国の51番目の州になるということについて、憲法上どのような問題があるのか」

「米国なら人口比に応じて下院議員の数が決まる。そうすると恐らく、日本州は最大の下院議員を持つ。日本州出身者が米大統領になる可能性が出てくる」

そうすれば、

「世界の中心で行動できる日本になりうる」



オバマ大統領に関しては、

 「・・・黒人の血を引くね。これは奴隷ですよ。まさか米国の建国の時代に、黒人奴隷が大統領になると考えもしなかった」


 


 その後、記者会見を開いて「誤解を与えるような発言をしたことを大変申し訳なく思う」と陳謝したと言うが、さてさて、吐いた言葉は、取り消しても取り消せるものでもない。多くの人々の記憶に残るし、報道機関の記録にも残るし、ネットで論じ続けられる。