いよいよアメリカの大統領選挙が始まった。始まったと言っても候補者選びが始まったわけだが、長いアメリカの大統領選挙はここがスタートラインである。スタートラインとなるここはアイオワ州だ。注目度のないアイオワ州が4年に一度注目されるのが大統領選挙の始まる時であるから、アイオワ州にとっては、4年に一度のお祭りとなる。
 


 振り返ると8年前のオバマ大統領誕生のステップはまさにアイオワであった。逆説的に言えば本命視されたヒラリー・クリントンがしくじったのはアイオワであった。何かが起こりそうな大統領選挙のスタートライン・アイオワである。民主党と共和党の大統領候補者選びが始まるわけだが、民主党は圧倒的な支持率のヒラリークリントンが、8年越しの挑戦で、間違いなく大統領候補になり、そして、間違いなく大統領になると思われたが、アイオワの風は簡単に大統領候補者を決めさせない。
 


 奇跡的ななどの表現は適当ではないが、奇跡的な追い上げの候補者がヒラリークリントンを脅かす。その人は、74歳のバーニー・サンダース上院議員。74歳で社会主義者と主張して大統領候補に名乗りを上げ、そして、若者たちを惹きつけ支持を拡大した。スター的な響きのあるバーニー・サンダースの名前だが、無名に等しい存在であったと報道から探るる人物像からも、アメリカの大統領候補としては異色としか言いようがない。社会主義者の大統領候補である。自由の旗手アメリカ合衆国の大統領が社会主義者でも問題があるわけではないと思うが、社会主義と共産主義と同一の思想というイメージがあり、共産主義者と同一のイメージもあり、その目指す国が旧ソ連や中国を連想させるかもしれないの思いがあるから、異色の候補者ということになる。


 さて、強いアメリカを目指す共和党も異色の候補者が掻き回す感じだ。掻き回すと言う表現は適切ではないが、トランプ現象と言われるトランプ旋風を起こす歯に衣木瀬ないとかでは表現できない無思慮な発言が、アメリカの一部の人間の代弁者的となり、多くの賛同者から持ち上げられる。一時的な現象とタカをくくっていたアメリカ社会は、トランプ現象に違和感も示したが、でも、一部の人の代弁者が、多くの人の代弁者的になり、支持率は上昇気流に乗るかのようだ。


 本格的な選挙戦の始まりは、民主党バーニー・サンダースと、共和党ドナルド・トランプの異色候補に注目が集まる。アイオワの風はある意味気まぐれな風である。世界で最も影響力の権力者を選ぶ自由の国アメリカの自由度が発揮させる風が吹く。結果的には民主党はヒラリー・クリントンだと私は予想するが、共和党はとんと予想がつかない。まさか、ドナルド・トランプが候補者になるとは思わないが、現在の勢いではあり得ないことではない。長い、長い、大統領選挙だから、何が起きるか分からないとはいえ、アイオワの結果は重要な意味を持つ。それがアメリカの大統領選挙だ。