テロの起源は人類の歴史と共にあるかも知れないが、現在頻発するテロの起源はニューヨーク同時多発テロだろう。そして、アメリカブッシュ大統領のテロ撲滅のための戦争が、多くのテロ組織を生み出したと言っても過言ではない。イスラム教国の中東からアフリカ、アジアへと拡大するテロの恐怖。地球全体がテロの恐怖の中にあると言っても過言ではない。


 インドネシアで起きたテロは最大のイスラム国で起きたテロというよりは、アジアの国で起きたテロとして私たちに迫ってくる。先進国首脳会議の開催地では、想像を絶する警備態勢が敷かれるはずだ、日本国内の国際線空港はもとより、港もテロの水際警備の対象となるだろう。私たちの身近で、私たちの日常の中にテロの恐怖が入り込んでくることも当然ありそうで、頻発するイスラム教国のテロは対岸の火事ではなくなった。



 また、アフリカでテロが起き多くの人が巻き添えになった、恥ずかしいが、国の名前さえ知らないアフリカの国でのテロだ。その国はブルキナファソという。


 西アフリカの国で、マリと国境を接する国だという。そのブルキナファソの首都ワガドゥグでテロが起きたのは、昨日15日の夜で日本時間は今日の早朝だ。高級ホテルが襲われた、20人以上が殺害され、テロリストたちは、なお、人質を取ってホテルに立て籠もっていると報じられる。

そしていつも通りの犯行声明だ。

「イスラム・マグレブ諸国のアルカイダ」だという。



 テロを競う組織が幾つあるかさえわからないが、それはそれは、私たちの想像をはるかに超える数だろう。小さな集団は無数とは言わないが、多いだろう。存在感を示すためのテロこそが、まず最初の目的であり、イスラム教の教えなど関係ないはずだ。イスラム教国の犯罪グループの隠れ蓑になっているような気もする。それでも、自爆テロであるから、それなりの覚悟は必要で、宗教的と幻想を抱く反宗教的なものが行動原理となってテロリストたちを動かすのだろう。反宗教的なものを表現できないが、戦前の日本の神風特攻隊的な行動原理に違いないと思うが、似て非なるものかも知れない。



 さて、「イスラム・マグレブ諸国のアルカイダ」はその名が示す通り、アルカイダ系ららしい。アルカイダはアフガニスタンの山岳地帯にその根を持つ、アメリカのブッシュの戦争の標的だった。未だにその影響力が残るから、イスラム国(IS)と覇権争いをしているのかも知れないと持ったりする。拡大するテロの恐怖は、テロ集団の複雑な絡み合いでさらに増し拡大するのだろう。


 ブルキナファソも独裁政権から民主政権への移行ができなかったアラブの春の失敗例のような国らしい。2014年独裁者コンパオレ前大統領が反政府デモで退陣した。
 ブルキナファソと国境を接する国マリの首都バマコでテロがあったのは記憶に新しい。宿泊客ら約20人が犠牲になったマリのテロもアルカイダ系だったと記憶するが、アルカイダ系のテロリスト集団は多いのだろう。
 
 私が名前さ知らないブルキナファソはマリ同様に旧フランスの植民地だった。ブルキナファソはマリとその他の5か国、合計6か国の中にある内陸の国である。1960年の独立宣言。それ以降は度重なる軍事クーデターが繰り返された。1991年以降、コンパオレ大統領の独裁が続いていたが。2014年11月辞任した。

 外務省のホームページ(http://www.mofa.go.jp/mofaj/area/burkina/data.html#section1 )によると、伝統的宗教57%、イスラム教31%、キリスト教12%で、イスラム教国ではない。フランスの旧植民地だから、キリスト教徒も多いわけで、イスラム教国ではない。



 何はともあれ、世界はテロの恐怖の中にある。日本もその恐怖からは逃れられない。テロのなくするためのさらなるテロである戦争が始まり、軍事大国の最も安易な作戦である空爆が連日連夜行われても、テロ集団を減らすことすらできない。テロをより巨大なテロである戦争で消滅させることは不可能だろう。テロリストの潜む世界を完全に消滅させない限り不可能だろう。なら、無駄な戦争ではなく、別の道を探るしかない。その道は・・・?。現在のところ神のみぞ知るであるが、その一歩は夢のある世界への歩みだろう。