12日の国会論戦。

白熱した論戦とか、

逼迫した国会風景とか、

年熱気を孕んだ論争とか、

そんなことはつゆも思わないが、

面白い質疑応答が繰り返されるのは間違い。



常にブチ切れ状態を作り出す安倍首相だが、

今日は特別にブチ切れた感じだった。

そして、「私は嘘をついていない。嘘をついているなら辞めます。」

と言ったから、ブチけれも限界感がある。



国会議員を辞める。それとも、首相を辞めると言ったのかと、
改めに記憶をたどる。



 衆議院予算委員会の質疑応答は白熱した・・・ものだったが、

しかし、国家の何かと関係する白熱ではなく、

弁舌さえる安倍首相の一人舞台的な白熱であり、

得意のブチ切れをたまたま見せる安倍首相の一人舞台的な国会だ。



安倍首相がむきになることは常であるが、今日は特別だと思った。それもそのはず、注目の本蓮池透著「拉致被害者たちを見殺しにした安倍晋三と冷血な面々」が持ち出されたのから、ある意味仕方ないともいえるが、安倍首相のこれまでが否定されるかのような本への怒りは特別のものがあるのだろう。「拉致を使ってのし上がった男」と言われるのだから、ある意味皮肉も込めて同情すると言いたい。


安倍首相は、まだ読んでいないという。だから、質問者に対しても、いちいちコメントするつもりないとい

う。

 

家族会が一枚岩ではないと示唆し、一致団結の言葉をこれ見よがしに言う。

一致団結して、一致結束して、すべての被害者を奪還するために全力を尽くしていくと言う。


「安倍首相は拉致を使ってのし上がった男でしょうか」と、不躾な質問に、
「議論をする気すら起こりません。そういう質問をすること自体が政治利用している」とむきになる。

「被害者を取り戻すことが政治の責任」
「政治家の困難な仕事には常に批判が伴う」



質問者は、


「2002年、小泉総理の訪朝で、5人が戻ってきた。北朝鮮に戻す約束だった。当時官房副長官だった安倍首相は『私は職を賭しても日本に残すべきだと判断し、小泉総理の了解を取り、5人の被害者は日本にとどまった』とフェイスブックに書いている。でも、蓮池透さんの著書には、そうは書いてないと。


さて、安倍首相は、私は嘘をついていないという。多くの証人の名前を上げる。官房副長官室に集まって最終判断をした人たちの名前だ。



安倍首相は、

「大切なことは今そんなことを言い合っているときじゃないんですよ。5人の被害者を、8人の死亡したといわれている人たち、そしてすべての被害者を取り戻すことではないか。常にですね、あの5人の被害者を日本に残すときもそうだった。国論を二分しようという策謀は常にある。こんなものにひっかかっていてはだめ。そうではなくてしっかりと私たちは団結をしなければいけない。あなたがこういう質問をすること自体が私は本当に残念に思います」


 「蓮池さんは嘘を言っているのか」と質問が続く。


安倍首相は、

 「私は誰かを落とすことは言いたくない、私の言っていることが違っていたら、私は辞めますよ。国会議員を辞めますよ」と、今までにないブチ切れ状態だ。



 さて、国会議員を辞めるとは、首相もやめるということだが、その嘘とか嘘ではないとかが明確になるのは、何時なのかわからないが、首相退陣後なら国会議員を辞めるで、その前だったら首相を辞めるということなのだろう。誰がうそを言っているかよりも、進展品拉致問題へのいら立ちが国民にはあるのだ。


さて、安倍首相が完全なブチ切れ状態は続く。


「本の引用だけで、独自の取材を全くせずに、私の名誉を傷つけようとしている。極めて私は不愉快ですよ。こんなことをやっていて、私は何の意味があるんですか。20年前、私たちが一生懸命拉致問題をやっていたときにあなたは何をやっていたのですか」


この辺は安倍首相に分がある。仰る通りだ。


そして、


「あなたが批判することが北朝鮮の思うつぼ」

「常にマスコミを二分し、国論を二分するのがこの問題の歴史」



訊く方も答える方も、

質問者も答弁者も、

国会の威厳を損なうとしか思えないが、

国会無視の政治手法をとり続ける安倍首相のむきになる答弁が、

お叱りを承知で言うなら、面白いのである。


この問題へ、さっそく蓮池透さんが、

私は嘘をついていないとコメントしている。