2016年年明け早々に国際社会に衝撃が走った。イスラム教世界のことはよく知らないが、イスラム教世界が真っ二つに分かれての戦争が始まるのでと思われるニュースに、イラン・イラク戦争を思い出した人も多いかも知れないが、サウジアラビアのとイランの戦争になれば、サウジアラビア寄りのスンニ派連合とイラン寄りのシーア派連合の戦争となれば、イスラム教国以外のアフリカの国々や、西欧の国々まで巻き込んでの第三次世界大戦へと発展するのではと想像させるほど衝撃的なニュースだ。



 衝撃のニュースはサウジアラビア内務省からの発表だ。2016年1月2日、テロに関与したシーア派47人の死刑執行の発表だ。処刑者の中にシーア派高位聖職者のニムル師がいたからシーア派の大国イランが黙ってはいないし、サウジアラビアにも多くのシーア派がいるのだ。



 さて、処刑された指導者ニムル師は、サウジアラビア東部で反政府デモを主導し、2012年に逮捕され、14年に死刑判決を受けた。イランは死刑にしないよう要請していたという。それでも行われた死刑執行にイランは黙ってはいない。


 最高指導者ハメネイ師は3日、「サウジアラビアは神の報復に直面するだろう」と宣言した。私は宣戦布告に等しいと考える。
 

 イランの首都テヘランでは2日夜にはサウジアラビア大使館前で抗議デモが行われた。当然のように大使館が襲われた。
 

 サウジアラビアはイランの大使館が襲われたことのを受け、イランとの外交断絶を宣言した。そして、バーレーンは4日にイランとの国交を断絶を宣言。スーダンも同日、イランとの断交を表明した。



これから先の展開はわからない。

分からないがイスラム世界が真っ二つに割れて、

戦争の危機にあることは確かだ。


 原油の値下がりしている。それは私たちの望むところで、ガソリン代も急激に値下がりしてうれしい限りだが、サウジアラビアとイランが戦争となれば、また原油の生産量が少なくなり、またガソリンの値上がりとなる。


 そんなガソリン代が心配だからではないが、戦争などになれば、さらにイスラム国が絡み、複雑な戦争が展開されるだろう。多くの犠牲者出て、多くの難民が生み出される。そして、戦場は世界大戦と呼べるほど拡大するだろう。


 アメリカの仲介も、ロシア、中国の仲介も、効果はないような気がする。ましてやフランスやイギリスでは尚更だろう。頼みの国連はほとんど何もすることができないのだから、世界の人々はただ、ニュースに耳を傾け、戦争にならないようにと祈るしかできないのか。



 イスラム教のこともイスラム世界のことも殆どわからないが、でも、平和を願わない国民はいない。イスラム教圏の人々も、私たち同様に平和を尊ぶだろう。世界の平和のために、平和な国の住人も祈る2016年の始まりだ。