暫くして、ハルキさんから返信が来た。


「すみません(汗)
何の他意もありません。

個人的な関係性は何も考察しなくて大丈夫です。

ただ、物語として尚且つ村上春樹が訳したいと思って訳した絵本なので、読んでみて欲しかっただけです。」



だった。



「そうでしたか。

もう余韻に打ちひしがれて、なんとも言えない気持ちだったので、少し救われました。」



と返信した。




「勝手に打ちひしがれないでください。

なんか、その様に捉えられそうだったので、事前に防衛線を張ろうか迷っていましたが、しっかり防衛線を張るべきでした(泣)」





「今思っている事は、『私は木のようになりたいと思っているけど、出来ていない気がする…。
でもそれは私ではなくてハルキさんが判断することだわ…。』といった具合です。

凄いスパイラルに嵌りました。

そもそも、私はハルキさんに何か与えられているのか疑問を持つ日々でしたので、ここまで堪えているのだと思います。

出来ていないから、ハルキさんから適当に扱われるんだと思っていましたので…。

結構刺さりました。

まーでも明日には大丈夫だと思います!
夜に考えるのはヤメにします!」





「違います!僕の考えではありません!

僕の個人的な解釈ではありますが、木のように何かをしてあげたいと思う人に何かをしてあげられる喜びというものが存在している筈です。

喜んでくれる相手が居ることが木(僕)の喜びにもなっています。

木はそういうものが無ければ、存在そのものの意味を感じられないから。」





「やっぱりハルキさんは「木」なのですね。

私にはそれが辛い。

ハルキさんの言っている事は理解しています。

でも、私は木になりたいんですよ。」






「木は少年と出会わなかったら幸せだったのですか?

木は少年と出会って幸せだったと思います。

僕はめぐみさんと出会わなかった人生より出会った人生で良かったと心から思っています。

それがどんな関係性であっても。」






確かに、ハルキさんは完璧に「木」だった。


いつもそこに居て、ただただどんな私も受け入れてくれた。



「私は切り倒したりしませんよ。

枝も持っていきません。

ずっと大切にします。」





「そんな事も言ってませんよ(笑)」




「涙が止まらん」




「泣かないで」




もうボロボロ涙が出て、止まらなくなっていた。



ハルキさんが私に対してそんな風に思ってくれていたなんて知らなかったから…。




「多分、僕はとても変わっている人間なので、分かりづらいとは思いますが、本当に会いたくもない人には会わないし、そんな時間を過ごしたいとも思いません。

僕はめぐみさんに会いたいと思って、いつも会っています。

これ以上何を伝えればいいのか分かりませんが、めぐみさんの事を好きなのは間違いありません。」




「私の事を嫌いではないのだろうな…とは思っています。

解りにくいのは、本当に解りにくいです。
だから頭の中がいつも疑問符だらけです。

私は分かり易い人なので、本当に極端ですよねー。

もー、明日この顔どうするのー?」




完全に瞼が腫れきっていて、どうにもならなくなっていた。