平安中期、のちに「三蹟」と称される藤原行成。

和様の書の完成形ともいわれる、行成の「白氏詩巻」!

 

あこがれのこの書を、なんと臨書しようという無謀な試み進行中☆

生温かい目で見守っていただければ幸いです。

 

内容は、白楽天(白居易)の漢詩8首を、1首完成ごとにあげています。

 

久しぶりの今回は5首目。

白氏詩巻5

 

 

(1行目)和韋庶子遠坊赴宴未(2行目)夜先歸之作兼呈裴(3行目)員外

(4行目)促席留歓日未曛遠(5行目)坊思歸已粉ゝ無妨接(6行目)轡行乗月何必逃盃走(7行目)似雲銀燭忍抛楊柳曲(8行目金鞍潜送石揺裙到(9行目)時常晩歸時早笑楽三(10行目)分挍一分

 

 

韋庶子の「遠坊に宴に赴きて、未だ夜ならざるに先づ歸る」という作に和して、兼ねて裴員外に呈しき


席を促して歓びを留めて 日未だ曛(く)れず、

遠坊に帰る思ひ已に粉ゝたり。

妨ぐること無し 轡を接して[按じて]行きて月に乗ることを、

何ぞ必ずしも盃を逃れて走ること雲に似む。

銀燭は忍びに楊柳の曲を抛(なげう)ちたり、

金鞍は潜かに柘揺[柘榴]の裙を送れり。

到る時は常に晩(おそ)く 帰る時は早けむ、

笑楽三分にして一分を挍(おと)せり。

 

『日本名跡叢刊12 平安―藤原行成 白氏詩巻/本能寺切』二玄社、1977年

 

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行成の父親・義孝の歌など

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