人口減少が止まらない日本の現状をどう考えるべきでしょうか。私は日本再生のカギは「田舎」にあると考えるようになりました。

 

高度成長時代、私自身を含め多くの若者が田舎から都市に移り住みました。住宅の広さも制約される都市の生活で少子化が進みました。田舎で経済的にも都市と同じレベルの収入が得られるのなら、子育てにも老後にも田舎のほうが生活しやすいのではないかと感じるようになりました。

 

田舎での主な産業は昔から農業、林業、漁業など自然の恵みから来ていますが、もう一つ重要な産業が、マキや炭などを通してエネルギーを都市に供給する産業でした。そうしたマキや炭などの自然エネルギーが、化石燃料の石炭や石油、天然ガスに代わり、そして更に原発に代わってきたのが産業革命以降のここ300年のことです。田舎がエネルギーを供給する立場から、エネルギー代を外部に払う立場に変わったのです。これが田舎の衰退の大きな原因になっています。

 

CO2問題、放射能問題から化石燃料も原発もダメなことがはっきりしました。太陽光、風力、バイオマス、水力などの自然エネルギーはすべて田舎にあります。田舎をもう一度都市への自然エネルギー供給基地に戻すことです。そうすれば田舎は経済的にも都市に劣らなくなり、住宅も広くでき、少子化に歯止めがかかるはずです。