当たり前のように使われていますが、“piece”は正確には「全体の中の1つまたは1片」であって、「個」ではありません。
(「個」は日本語の助数詞の中でも特殊で、いろいろな種類の“モノ”に使えます。「一個の人間」は数を数えているわけではありませんので違います。「一介の」と似たようなものです。)
そもそも、英語には助数詞というものが存在しません。
なので「個」にあたる英単語も存在しません。
pieces、sheets、sets…いろいろと数え方があるじゃない?と言うかもしれませんが、
すべて、そのものが複数あることを表しているにすぎないからです。
例えば“sets”は「一組」、「ひとそろい」、「一式」の“モノ”が複数あると言っているにすぎません。
“sheet”は「枚」ではなく「シート(薄く広がったモノ)」です。
“a piece of cake”は「ケーキひと切れ」です。「1個」ではありません。
1 pencil
2 cars
3 apples
4 ions
5 molecules
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英語ではこのように名詞の前に直接数字(または文中ではone、twoなどの数詞)を付けるのが普通です。
「個」は漢字のイメージから“unit”が近いかとも思いましたが、これもいろいろな日本語の助数詞に対応しています:
unit:単位(「個」というよりは「単位」でしょう)、団、群、式、組、台…
いかにも「一つにまとまったもの」という感じがしますね。
「1杯」は“A glass of”でしょうか?
いいえ。“A cup of”かも知れませんし“A bowl of”かも知れません。
このように、日本語の助数詞とはまったく性質が異なるのです。
英語と日本語は全く異なる言語であることを認識することは、英語を正しく理解したり翻訳したりするためにとても重要です。