北山の歌雑記

北山の歌雑記

短歌初心者の戯言
「うたは下手でもよい自分のうたを詠め」
目指す旅路の道中記


テーマ:
前回に引き続き歌誌「冬雷」12月号の中で、私なりに特に心に残った 

歌を抜粋してみました。鑑賞・評などと大それたものでは無く

私なりに選ばせていただいた理由を少々記させていただきます。  

(☆新仮名遣い希望者)


手も足も十分温い弟よ握り返せよ太き指もて

 東京 櫻 井 一 江

 

臨終直後の作者の弟。

まだ手も足も十分な温かさを持ち合わせている。

弟よ握り返せよ」と、重ねられる作者の呼びかけ。

そして結句「太き指もて」の具体的な願い。

その亡骸の手を握りしめながらに想像される嘆きの所作に、作者の痛恨の

思いが充分に伝わってくる。


歩まねば歩めなくなるをモットーに今日も出掛ける雨止みたれば

東京 池 亀 節 子

 

「歩まねば歩めなくなる」がモットーだという作者。

しかも、出来ればそう願うなどというような部類では無い

下句「今日も出掛ける雨止みたれば」の具体的な行動実践。

そこにいつまでも健康で生活したいという作者の確固たる意志がうかがい

知れる


この魚ホイル焼にと店先で見知らぬ女性と献立決める

愛知 山 田 和 子☆

 

店先に並ぶ鮮魚を前に、今晩のおかずをあれこれ思案する作者。

そして居合わせた女性に声を掛けられた。

あれこれと話すうちに決まった魚の調理法。

見知らぬ女性との思っても見なかった会話の充実と、早々と決まった献立

に、作者も満足であっただろう。


まどろみと永久の眠りをゆき来してゐる様な日なりひと日が過ぎる

富山 冨 田 眞紀恵


まどろむような浅い眠りと、「永久の眠り」を感じさせる熟睡。

その繰り返しに、とうとう一日が過ぎたという作者。

作者にとって日がな一日を、このように過ごすのは稀なのであろう。

結句「ひと日が過ぎる」に、無為に過ごしたそのひと日を惜しむような

作者の思惑感じられる。


青き空透かせて見する薄雲の流れは速し台風ゆきぬ

東京 穂 積 千 代


台風一過の晴天。

空を見上げた作者。

その眼前には空の青を透かせた薄雲が映った。

そしてその流れは台風余波を思わせる「流れは速し」。

空の青と雲の流れに改めて作者の中で「台風ゆきぬ」の感慨が沸き起こった

ように思われた。



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