今回の展示車両は、KATO 3032-2 EF65 一般色です。これは国鉄時代の直流用電気機関車の標準的なカラーデザインで、他のEF62形やEF63形なども、これと同様の塗色です。しかしながら、EF65形に限っていえば、500番台や1000番台が、前面窓周りまでクリーム色となっている、いわゆる「特急色」であるため、これと区別するために「貨物色」と言い換えても良いかもしれません。



KATOのEF65形は、近年リニューアル製品が発売されましたが、こちらはリニューアル前の旧製品です。それでも長年にわたるKATOの標準的技術が濃縮された完成度の高い製品となっています。

近年のKATO製品と比較すると、テールライト脇の添乗員用手すりがモールド表現であるなど、見劣りする部分もあります。しかし、従来からのNゲージ製品に慣れてきた目には、そんなに違和感はありません。動力は、フライホイール仕様となっており、走りは非常にスムーズです。

写真の製品の連結器は、「EF66用ナックルカプラー」に交換してあります。製品には、交換用の標準型KATOカプラーが付属していますが「ナックルカプラー」は、形状が実物の自動連結器をかなり忠実に再現されており実感的です。



コーティングに使用した塗料は、GSIクレオスのGX100番「スーパークリアーIII(光沢)」です。クリアコートすることによって表面の光沢が増すことに加え、色の「深み」が強調される仕上がりとなります。





写真は1位側を左側にしたサイドビューです。電気機関車は両側とも先頭のように見えますが、実際には電気回路や内部搭載機器が前後対称に配置されてはいないことから、現場実務上の理由で前後が区別されています。KATO旧製品の弱点は、車体長がスケール(150分の1)より、やや長めとなっていることです。実車の写真と見比べるとわかりますが、両先頭台車とスカート(排障器)の間にやや隙間が生じています。この点は、リニューアル製品では解消されています。

また、この製品は、KATOの製品名でいうところのPS16B型パンタグラブを装備しています。従来型のPS16A型パンタグラフに比べ、横幅が狭く、スリ板(実際に架線に触れる部分)も再現されており実感的です。なお、KATO製品のパンタグラフ「PS16A型」「PS16B型」は、それぞれ車体側のパンタグラフ取り付け穴の向き(縦並びか横並びか)が異なっているため、互換性はありません。





パンタグラフ部のアップです。パンタグラフには全体につや消しシルバーを吹き付けてあります。また、スリ板にはカッパー(銅色)、碍子部分にはオフ・ホワイトのタッチアップを施してあります。



この塗料は本来、乾燥後に磨きをかけることによって金属地肌の質感を出すために使用するものなのですが、粒子が大変細かく筆へのノリが良いことから愛用しています。一方塗装面が弱いことが難点なのですが、スリ板自体がじかに手で触れる場所ではないので、特段の不都合はありません。



側面ナンバー部のアップです。KATO旧製品の残念だったところは、製造銘板の表現がないことです。写真の製品では、銀河モデルさんのインレタで製造銘板の再現をしています。このEF65 120号機は、昭和44年に川崎重工・富士電機の共同受注にて製造されました。

この製品は、Yahoo!オークションで落札したものですが、この記事を書いている2020年1月時点では、3,500円で入手できれば「まあまあ」、3,000円で落札できれば「ややお買い得」といったところでしょうか。

さて、いかがでしたでしょうか。
今後も順次、撮影が終わった車両からご紹介の予定です。

ここまでお読みいただき、ありがとうございました。